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『林檎の樹』と『木綿のハンカチーフ』 [好きな歌]

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ある日の秋の夕暮れです。




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ケヤキの葉が金色に色づいています。




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空にはまだ青さがありますが、葉は夕日に照らされています。




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ケヤキは丈が高いものをよく見ますが、ここはした枝も残っているので目の前で葉が輝きます。




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そろそろ日没です。




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さて先日作曲家の筒美京平さんがお亡くなりになりましたが、最も売れたのは「魅せられて」だそうで、その他追悼番組では「ブルー・ライト・ヨコハマ」「また逢う日まで」「ギンギラギンにさりげなく」「Romanticが止まらない」、そして「木綿のハンカチーフ」がよく取り上げられていました。

 

他の作詞家との仕事も枚挙に暇がないほどです。

「雨がやんだら」(なかにし礼)、「甘い生活」(山上路夫)、「飛んでイスタンブール」(ちあき哲也)、

「東京ららばい」(松本隆)、「さらば恋人」(北山修)、「17才」(有馬三恵子)、

「芽ばえ」(千家和也)、「男の子女の子」(岩谷時子)、「わたしの彼は左きき」(千家和也)

「たそがれマイ・ラブ」(阿久悠)、「シンデレラ・ハネムーン」(阿久悠)、

「センチメンタル・ジャーニー」(湯川れい子)、「スニーカーぶる~す」(松本隆)、

「ドラマティック・レイン」(秋元康)、「あなたならどうする」(なかにし礼)、

「ひまわりの小径」(林春生)、「よろしく哀愁」(安井かずみ)、「ヤマトナデシコ七変化」(康珍化)

 

 


私は「木綿のハンカチーフ」が好きなので真っ先に取り上げられないのが不満だったのですが、先日 NHK で松本隆さんのインタヴューを取り上げたときに「木綿のハンカチーフ」が一番重要な扱いであったので嬉しく思いました。

 

名目上は、1975年12月5日に発売された3枚目のアルバム『心が風邪をひいた日』からのシングルカットであるが、実際にシングル盤では新たに録音し直された。

これは、歌詞を一部変更し、萩田光雄単独の編曲によるアルバムバージョンに筒美京平が若干アレンジを加えたためである。

 

この楽曲は、完成するまではかなりの紆余曲折があった。

作詞の松本隆は、都会(≒東京)に出た男性と故郷に残された女性との遠距離恋愛を対話形式で歌詞にしたが、こうした男言葉と女言葉が交互に切り替わるという構成は、当時の歌謡曲ではおよそ前例のない試みであり、新しい日本語ポップスを創造しようという松本の高い問題意識が現われている。

一方、作曲の筒美は「詞が長過ぎる」と松本に対して更に短くすることを望んだ。

しかし、松本や担当ディレクター兼プロデューサーの白川隆三と連絡が取れず、仕方なくそのまま歌詞に合わせて曲を作った。

実際に取り掛かるとすんなりと進み、「いや〜、いい曲が出来たよ」と喜色満面で提出したとのことである。

(Wikipedia)

 

これはそれまでの例を破って詞が先で曲が後だったということと共に番組でも取り上げられていました。

 

 

以下の点については全く触れられませんでした。

 

構成と歌詞がボブ・ディラン1964年の楽曲「スペイン革のブーツ」に酷似しているとされ、伊藤強ら、当時の音楽評論家から批判された。

「スペイン革のブーツ」が女性が旅立つのに対して「木綿のハンカチーフ」は男性が旅立つ逆の設定だが、恋人同士の手紙のやり取りが交互に切り替わる構成が同じで、遠く離れた恋人に贈り物をねだり、いや、送って欲しいものなど何もない、ただ君が傷つく前に帰って来て欲しいなど答える一部歌詞もよく似ているとされる。

「スペイン革のブーツ」は片桐ユズルの訳詞で、晶文社から1974年に発刊された『ボブ・ディラン全詩集』に収録されていた。

 

これが騒がれたため、松本が新聞紙上で「ボブ・ディランに似ているといわれるのは、むしろ光栄」と発言。

伊藤から「ディランの作品に似た作品を書いてしまったということは、決して光栄なことではない。

歌謡曲の歌詞に大事なものは発想とその展開であり、その発想を誰かが先にしていたということは、やはり"盗作してしまった"と思うべきものなのだ。

松本氏は作詞家としての将来性は、大いに期待されている存在なだけに、今度の問題は、彼自身も十分に立場を釈明すべきだろう」などと迫られた。

 

(Wikipedia)




このエピソードは知りませんでしたが、私が連想するのはイギリスの作家でノーベル賞受賞者のゴールズワージーの『林檎の樹』です。

 

 

松本さんも「林檎の樹」をご存知なのかなと思っていましたが、ボブ・ディランの詩が記憶のどこかにあった可能性の方がありそうには思えます。




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この作品は多くの翻訳が出ていますが、よく読んだのは新潮文庫です。

多分 渡辺 万里 さんの訳によるものだったと思いますが、書店に行ってみましたら新訳が出ていたので久しぶりに読んでみました。




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物語は主人公が26年前を回想して語るという形をとっていますが、そういえば読むのもそのくらいぶりかなと思います。


舞台も構成も「木綿のハンカチーフ」とは違うのですが、通ずるものを感じるのです。

 

そう思うのは私だけではないようで、ネット上では同じようなことを述べられている方もいらっしゃいます。

 

新訳は読みやすい文章になったと思いますが、格調の高さは薄れたように思います。

 

久しぶりに旧訳も読んでみようかと思います。

 

 

 
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