ファイナライズしないと認識しないのだ [DVD]
我が家の TV には HDD がついていないので録画ができません。
DVD や Blu-ray を視ることはできます。
※ 12.26 追記。
その後調べてみましたら Blu-ray (BD-RE)は基本的にはファイナライズはいらないそうです。
ディスクに何を使ったか(BD-R ではないか)
録画方式は AVCREC方式か VR方式ではないか
という可能性が考えられますのでダビングしてくれた人に確認してみることにします。
先日放送された『いだてん』、録画して視てくれた人も私がどこにいたか分からなかったそうなので画面キャプチャを撮ろうと思い会社の同僚にダビングを依頼したのですが、ディスクを入れても画面が出ません。
読み込もうとする音は何度もしていたのですが、とうとう吐き出されてしまいました。
iMac の外付けプレーヤーに入れてみても早々に再生できないというメッセージが出てしまいます。
どうやらファイナライズしていないようなのです。
説明したのですがやり方がわからないようです。
やれやれ。
仕方がないので以前購入したポータブルプレーヤーにかけてみると、あっさり再生されました。
訊いてみるとレコーダーは SONY 製だそうです。
こちらのプレーヤーも SONY です。
TV が SONY だったらすんなり再生できたのでしょうね。
今日、練習場所で水仙を見ました。
ペーパーホワイトという品種だと思います。
昨日に引き続きこの作業をやっていますが、まだ終わりません。
あと二日くらいはかかりそうです。
小澤/ベルリン・フィル、晋友会合唱団:『カルミナ・ブラーナ』 [DVD]
先日東京文化会館での演奏会の待ち時間にチラシを見ていましたらカール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』が見えました。
実演は聞いたことがないので是非聴きたかったのですが、スケジュールが合いません。
CD は随分聴きました。
スコアは持っていなかったので取り寄せてみました。
A4 ですね。
ふむふむ。
かなりの大編成です。
独唱: ソプラノ、高音テノール、バリトン
合唱から編成される2重独唱(テノール2、バリトン、バス2)、
大混声合唱、小混声合唱(大合唱から編成できる)、児童合唱
フルート3(ピッコロ1持ち替え)、
オーボエ3(コーラングレ1持ち替え)、
クラリネット3(バス・クラリネット1持ち替え)、
ファゴット2、コントラファゴット、
ホルン4、
トランペット3、
トロンボーン3、
チューバ、
ティンパニ(5個、ピッコロ・ティンパニも含む)、
打楽器: 奏者5(グロッケンシュピール、シロフォン、カスタネット、クレセル、クロタル、トライアングル、アンティーク・シンバル3、シンバル4、タムタム(管理者注:銅鑼)、鐘3、チューブラーベル、タンブリン、小太鼓、大太鼓)、
チェレスタ、
ピアノ2、
弦五部
(Wikipwedia)
その割には和製はそれほど複雑ではありません。
特に合唱がユニゾンに近い部分が多いのでそれが力強さを生み出しています。
こんな拍子記号は見たことありませんね。
一小節に全音符が三つです。
ページをめくるのが忙しいです。
愛聴盤は小澤さんとベルリン・フィルの録音ですが、思いついて探してみましたら DVD があるではありませんか。
30年前。小澤さんも若いです。
4:3の画面で画質も良くはありませんが、演奏は素晴らしいです。
- アーティスト: 小澤征爾,オルフ,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,ベルリン・シュターツ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2010/11/10
- メディア: CD
晋友会合唱団の評価を一段と高めた ’89年のベルリン・フィルハーモニーホールでのジルベスターコンサートの映像です。
CD とは独唱が違います。
この曲は “世俗カンタータ” で、確かに世俗的な内容を歌っています。
バッハの『コーヒーカンタータ』や『結婚カンタータ』とは随分趣が違います。
力強く生命力に溢れたリズム。
シンプルでストレートに伝わるメロディー。
オーケストレーションも原始の生命を感じさせるかのよう。
激しいリズムではあってもバーバリズムと言われる『春の祭典』とはまたなんと違うことでしょう。
昨日視聴してからずっと頭の中で鳴っているかのようです。
フィラデルフィア管弦楽の人たち [DVD]
随分以前に買った DVD ですが、観ていなかったので再生してみました。
たまにお借りする小ホールです。
まとまった演奏風景はありませんが、団員、特に若い人へのインタヴューが中心です。
第一ヴァイオリンには日本人の女性の方もいらして、帰郷した時の映像も使われています。
ソリストとして ラン・ラン、サラ・チャンも少しですが登場します。
インタヴューはありませんが時折映るフルートはジェフリー・ケナーですね。
YAMAHA のアーティストです。
演奏で興味深かったのはオーケストラの演奏ではなくてグラスハーモニカによるバディネリ(J. S. Bach 『管弦楽組曲第二番』より)とアコーディオンによる「冬」(ヴィヴァルディ 『四季』より)ですね。
バディネリはそれに続いてオーケストラの演奏に切り替わります。
ソロは多分ケナーさんでしょう。
バロックらしい音色で演奏されています。
アコーディオンにはびっくりです。
グラスハーモニカもどちらもいわゆるストリートミュージシャンですが、この演奏なら CD が出せますね。
昔のケンブリッジ・バスカーズを思い出します。
ケンブリッジ・バスカーズはリコーダーとアコーディオンの二人組でしたが、リコーダーが普及品のプラスチックのものであったことも話題になりましたね。
語られる内容は頷けるものばかりで、またみんながみんな天才というわけではなくて人間関係が苦手だったり、ソリストへの夢を諦めたりとみな人間なのだということがよくわかります。
オーケストラの向こう側 フィラデルフィア管弦楽団の秘密 [DVD]
- 出版社/メーカー: IMAGICA TV
- メディア: DVD
やってしまった (><) [DVD]
前作は確かに観たのですが、同じ劇場だったはずなのにカードに記録された履歴にはありません。
ともかく DVD (Blu-ray)で視ようと帰りに山野楽器に立ち寄りましたらお買い得なものが。
二枚買えば安くなるのですが、残念なことに一緒に買いたいものが一枚もありません。
一枚 1,000円とか 1,500円のものはあるのですが、この価格設定のものはありません。
せめてこのシリーズの古いものでもあればよかったのですが、仕方がないので「サウンド・オブ・ミュージック」の Blu-ray を 1,000円で。
クリアファイルのおまけ付き。
最新作がいつ発売されるのかは今のところ情報がありません。
最新作は 128分です。
それにしても昨日の上映、本編が始まる前のあれこれが長いこと。
20分くらい宣伝を見せられたような気がします。
あれなら上映時間を少しくらい過ぎても大丈夫です。
客席は平日ということもあってかガラガラ。
半袖で行ったので寒くて。
帰宅して過去の記事を検索して唖然。
いつも借りている小ホールの機器が更新された時に視ているのです。
あちゃ〜 >_<
『椿姫』(MGM映画) [DVD]
オペラに続いて映画版を鑑賞です。
1936年、MGM 映画。
グレタ・ガルボの最高の演技という評価で、アカデミー主演女優賞を獲っています。
役柄にふさわしく、美しいですね。
当時のハリウッド女優は眉がとても細いのですね。まあ、ロバート・テイラーなどもそうなのですが。
だんだん具合が悪くなっていく様子、事切れる直前の様子、演技はさすがですね。
タイトルの “Camille” はフランスの人名で、ヒロインの通称でもあります。
’21年版の映画も同じタイトルで製作されています。
オペラよりは原作に近く、歌もありません。
歌はありませんがオペラのメロディーが所々使われています。
椿は冒頭のシーンから登場しアクセサリーとして使われますが、モノクロ映画なので赤と白の使い分けはありません。
グレタ・ガルボもロバート・テイラーもピアノを弾くシーンがありますが、手元は映っていないのでわかりませんがロバート・テイラーは自分で弾いているかもしれません。
調べてみるとチェロを学んだようで、ピアノが弾けても不思議ではありません。
この作品以外では『哀愁』がよく知られていますね。相手はヴィヴィアン・リー。当時の女優たちからのオファーが多かったらしいです。
今はワーナーのロゴが最初に流れますが、続いてこれが流れます。
G. Verdi:"LA TRAVIATA" [DVD]
ある程度詳しい方はご存知ですが、「アイーダ」と並ぶ人気オペラ「椿姫」は原題では “La Traviata” で、直訳すると「道を踏み外した女」です。「堕落した女」とも言われます。
それがなぜ「椿姫」と呼ばれるかと言いますと、アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の原作 “La Dame aux camélias(椿の花の貴婦人)” によっているからです。
ヒロインはヴィオレッタなのでスミレですが、原作では高級娼婦マルグリット・ゴーティエ。
月のうち商売ができる25日間は白い椿を身につけ、そうでない期間は赤い椿を身につけているという設定です。
オペラではそういう部分は削ぎ落とされてしまっています。
(Wikipedia より。ミュシャの描くサラ・ベルナール)
オペラのストーリーは原作からかなりかいつまんで作られているので、ある程度予備知識がないとよくわからないところがあります。
オペラの中の旋律は序曲に始まってよく知られているものが多いですが、とりわけ人気があるのは「乾杯の歌」で、これが突出して有名です。
同じ「乾杯の歌」でも「盃を持て、さぁ卓をたたけ」で始まるのはオペラとは関係ない別の曲です。
原題は(Maine Stein Song)。
ドイツ民謡と思っている人が多いですが、オリジナルはアメリカ合衆国メイン州大学の校歌です。
序曲も美しいですが、序曲の冒頭部は「アイーダ」にも似て何やら不安げに始まります。
それに続くメロディーはオペラの内容からは少し浮いているような美しさですが、中身をふわっと美しく包む包装紙のようです。
第一幕で歌われる「ああ、そは彼の人か」「花から花へ」もよく知られています。
この映像が収録されたグラインドボーン音楽祭は1934年に資産家が始めた音楽祭で、イギリスのイースト・サセックス州ルイス近郊のグラインドボーン・ハウスが舞台で、特にモーツァルトが有名です。
(以上4枚も Wikipedia より)
さて練習場にあった「ぶらあぼ」を見ましたら、札幌に新しくできるホールの杮落とし公演で「アイーダ」が上演されるようです。
東京公演はないようです。
さらにレッスンを待つ間に楽器店に置いてあった雑誌を見ましたら 先日鑑賞した Blu-rayと同じ演出の「アイーダ」が新国立劇場で先月上演されたようです。
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_009642.html
演出は同じですが、動画を見ると細部で違いがあります。
私には Blu-ray の華麗な色彩が強く印象に残っています。
やっぱり上演回数は多いですね。
カラス&ステファノ デュオコンサート [DVD]
今度はオペラではないですが、マリア・カラスとジュゼッペ・ディ・ステファノが共演した演奏会の映像が発売されていました。
マリア・カラス(Maria Callas, 1923 -1977)は少しクラシックを知っている人ならほぼ知っているのではないかと思われる歌手ですが、ステファノ(Giuseppe Di Stefano, 1921- 2008)も名歌手なのです。
カラスとは公私にわたって縁が深いとのことですが、両者ともピークは過ぎた1973年から世界ツアーに出ますが、この録画は1974年東京公演の模様です。
映像は Blu-ray でありながら画質は良くありませんが、どうやら NHK で放送されたものらしく、オリジナルがもう劣化してしまっているようです。
あまり上手とは言えない編集でちょっとどうしたのかと思う箇所もあります。
DVD も出ていて、ディスク以外は同じでブックレットもついているようです。
時間は48分だったかな?
往年の輝きは失われてしまっているようですが、貴重な記録ではあります。
ステファノの演奏を初めて聴いたのは高校生の頃、音楽室にあったナポリ民謡のレコードででした。
- アーティスト: ペニーノ,デスポジト,モドゥーニョ,レンディーネ,カプア,カルディルロ,クルティス,ファルヴォ,デンツァ,マリオ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2011/12/07
- メディア: CD
強い印象を残す録音で、パヴァロッティでもカレーラスでも聴きましたがどうもピンとこないのです。
とにかく美声で、歌い回しも美味いです。
カラスにはともかく強い声で、こんな声を持つ人は他にありません。
どれをお勧めして良いか決められないのですが、とりあえずベスト盤でも。
- アーティスト: アントニーノ・ヴォットー,ガブリエーレ・サンティーニ,ジョルジュ・プレートル,トゥリオ・セラフィン,ニコラ・レッシーニョ,ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2014/09/24
- メディア: CD
- アーティスト: モーツァルト,ポンキエルリ,プッチーニ,ビゼー,カタラーニ,ロッシーニ,ベルリーニ,サン=サーンス
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1992/10/22
- メディア: CD
声は最高の楽器です。
G. Verdi:"AIDA", DVD, CD, LP, Score [DVD]
オペラはやっぱり映像がなければと最近強く思うので DVD(Blu-ray)を視ることが増えています。
今回はかつて高音質 LP で親しんだ「アイーダ」です。
最も人気のあるオペラの一つですが、上演回数では一番らしいです。
こちらは指揮はシャイーで、オケと合唱・バレエはミラノ・スカラ座。
スカラ座はイタリア初演の場所です。
目を奪われたのは20年ぶりに演出を手掛けたというフランコ・ゼッフィレッリの舞台と衣装です。
初演に忠実なグランド・オペラです。
CD では味わえないバレエの場面も特に素晴らしかったです。
2006年のこの上演ではラダメスを歌ったアラーニャに対して2回目に桟敷席から辛辣な野次が飛んでアラーニャが怒って降りてしまい、急遽代役がつとめただけでなくそれ以降アラーニャはスカラ座に出ることがなくなったという話題もあります。
つまり、アラーニャが歌う姿を見られるのはこのディスクだけということです。
ちょっと残念なのはアイーダとアムネリスは台本の設定では20歳なのですが、両者とも年齢は離れてしまっているのは問題ではないとしてもとても可愛いと歌われるアイーダがどうも私にはそうは見えないことで、そのため感情移入がイマイチだった事です。
アラーニャの歌唱はちっとも悪いとは思えないのですが、二日目は調子を落としていたのでしょうか?
初めてこの曲を聴いたのはハイライトを高音質でプレスしたカラヤン二度目の録音でした。
最初に CD 化された時にはすぐ買ったのですが、音質が良くなくてがっかりしたことをよく覚えています。
今回聴いた CD はその後発売されたリマスター版ですが、最初のより良いものの、あのレコードの音には及びません。
でもこの録音には大きな話題が付帯していまして、この曲だけで使われる “アイーダトランペット” が YANAHA 製であるということです。
ウィーン・フィルは基本的には楽器は楽団のものを使うそうですが、それまで使っていたアイーダトランペットは音程も良くなくて、どうやら本番で奏者が音を外すということがあったらしく、カラヤンはこの録音とそれに続くザルツブルク音楽祭でも普通のトランペットを使うつもりであったようです。
しかし楽団側は本来の楽器でやりたいと考え、日本の YAMAHA に打診しました。
もともと日本でも東京オリンピックなどを契機に(アイーダトランペットではありませんが、ファンファーレトランペットという、旗などを吊るすことができるトランペット)研究が進んでいたそうで、ヘッケルの製品の素材を徹底的に研究してその音の秘密を解明して試作品を送ったところ正式にアイーダトランペット12本の注文が来た、という経緯があります。
そしてリハーサルの時、カラヤンには事前に知らせずに注文した楽器を使ったそうですが、楽器の出番が終わったあとカラヤンは上機嫌で、あれはどこの楽器だと尋ねヤマハ製と知ると大層満足げであったそうです。
LP の解説に印刷されているのが多分それですが、本来はピストンなどのない長い管とベルだけの単純な構造です。
ヴェルディが指定したのは変イ調(in A♭)とロ調(in H)の楽器3本づつですが、ヴェルディの譜面では普通のトランペットの第一ピストン(またはロータリー。押すと一音下がる)は必要です。
YAMAHA が作ったのはハ調(in C)のロータリートランペットを長く伸ばしたような形の楽器(全長約1.2m)でした。
もちろんウィーン・フィルと打ち合わせのうえでそうしたはずです。
譜面では舞台奥左右に3本づつのアイーダトランペット(楽譜の指定では「エジプトトランペット」)が立つ指定ですが、今回視聴したディスクでは左上と下、右上と下の四ヶ所に各4本計16本配置していました。
ヴェルディは博物館に保存されている楽器なども調査したうえで曲を作ったようですが、ヴェルディ没後にツタンカーメンの墓から発見された二本のトランペットは単純な構造で長さは 50cmくらいであったとのことです。
当時は現在のような音律も音階もなかったはずですが、長さから考えると YAMAHA が作った in C の楽器より1オクターブと少し高い楽器であったことになります。
計算しないとわかりませんが、変ロ調(in B♭)か イ調(in A) ニ調(in D)のピッコロトランペットくらいの楽器ではないかと思います。
こちらはスコアのその箇所ですが、凱旋行進曲の最初は in A♭ の楽器で奏され、次に in H の楽器で奏されます。
切り替わる箇所で一音半高く転調するわけです。
金管楽器を吹いたことがある方はお分かりだと思いますが、この楽譜なら一番ピストンだけあれば演奏できます。
こちらは実音で書かれた楽譜です。
こちらは LP です。
今回 CD をフルスコアを見ながら聴きました。
楽器編成はこの通りです。
さてこの曲はスエズ運河開通を祝ってエジプトのカイロに建設されたオペラ劇場の杮落としのために作曲されたと理解されている向きもあるようですが、実際は依頼はあったものの期限までが短すぎて、また一説によると短い曲をと依頼されたがそういう機会音楽は書かないとして断っています。
しかし別の友人からも依頼されたもののそれも断ったが、その友人はどうしてもヴェルディとの思いからオペラの概要を書き送ったところヴェルディはそれを気に入って作曲に取り掛かったということであるようです。
劇場の杮落としにはヴェルディの別の曲が使われ、完成後改めて新作の披露が行われ、その後ミラノ・スカラ座でイタリア初演が行われたとのことです。
ダンスでいいじゃないか:『サロメ』 [DVD]
先日ロイヤルバレエの『サロメ』を鑑賞しました。
R.シュトラウスが初めて高い評価を得たと言って良い作品ですが、その音楽は登場人物を包み込むように響き、巧みな管弦楽法を堪能できます。
しかし『魔笛』や『カルメン』のように魅力的なアリアがあるわけではなく、大部分はレチタティーヴォのような旋律で、初心者には優しくありません。
歌い手にとっても難度が高いだろうと思います。
音楽的に魅力があるのはやっぱり有名な「七つのヴェールの踊り」ですね。
ここは歌はなくサロメが踊ります。
それは良いとして、そのシーンはワイルドの作品には
七つのヴェールの踊りを踊る
とあるだけで、具体的な記述はありません。
なのでここをどのようにするかは演出家にかかっています。
ここは今の主流のように一枚づつ脱いでいかなければならないということはないのです。
先日鑑賞した マリア・ユーイング を起用した上演がその発端であったように解説には書いてあったのですが、必ずしもそれが最初というわけではないようです。
その証拠に先日取り上げました 日夏 耿之介 の「サロメ解題」では
乞ひ得んとしては赤裸の踊をも敢てして
とある(P.500)ので、以前からそういう演出が行われていたものと思われます。
日本では宗教の問題がなかったので本国イギリスより早く上演が実演したわけですが、日本で受け容れられる過程で本来のワイルドが意図したものとはかなり異なる解釈が主流になって行っていわゆるエログロの演劇というイメージが根付いてしまったようです。
三島由紀夫が意図したのはもちろんそうしたものではありませんでした。
DVD の解説にはその場面に歌手ではなくダンサーを起用した演出もあったようですが、マリア・ユーイングの踊りを見た印象ではそういう演出であっても良かったのではないかと思えます。
だいたいオペラ歌手は演技力は求められますが、ダンサーのような踊りまではそれほど求められないものではないかと思います。
ましてや脱いでくれと言われても応じられなくても無理はないのです。
マリア・ユーイングは演出のピーター・ホールの奥さんです。
だから承諾したのでしょうね。
そういうわけでダンサーが主演した映画仕立てのものを入手してみました。
今度視てみましょう。
もう一枚、歌劇のものを入手してみました。
ロイヤル・オペラのものより五年あとのザルツブルグ音楽祭のものです。
サロメを演じる キャサリン・マルフィターノ が思春期の少女をよく演じているとあったので。
ユーイングではそうした印象はあまりなかったと思います。
踊りもまあ良さそうです。
バレエ音楽は 伊福部 昭(「ゴジラ」の音楽の作曲者)のものがありますが、映像は出ていないようです。
ロシアバレエ団で観てみたいですね。
お気に入りの演奏を DVD で鑑賞する。 [DVD]
先週時間が十分取れたのでオーケストラの DVD を鑑賞しました。
一枚目はカラヤンのベスト盤的なものですが、「カラヤンの遺産」シリーズから人気のあるものを集めたものです。
ベルリン・フィルとウォーン・フィルの両方が収録されています。
全てを視るほどの時間はなかったのでひとまずお気に入りだけを。
このシリーズは画質が悪いのが難点です。
音声もドルビーデジタルだけのようで選択メニューはありません。
次の曲との間に拍手などの時間があまりないのがちょっと残念です。
まあ収録時間を稼ぐために仕方ないのでしょうが。
カラヤンを映す時間が長いのはやむを得ないのでしょうが、もうちょっとソロ楽器を映す時間があってもと思います。
スイッチのタイミングもベストとは言えないように感じます。
やっぱり演奏は映像があった方が良いですね。
生の演奏会が一番なことは言うまでもないですが、複数台のカメラで収録された映像は客席からは見ることのできないアングルからのものですから、会場で聴いて DVD も視る、と言うのが贅沢な楽しみでしょうね。
それにしても時代は少々古いとしても当時でももっと良い画質で収録することはできたはずです。
カラヤンは「魔笛」の録音でアナログとデジタルの両方で録音し、デジタルを採用することに決めたのですが、画質についてはそれほど要求は高くなかったのでしょうか?
こちらは愛聴盤のモーツァルト「レクイエム」と同じ音源です。
同時に収録されたそうです。
視ると聴き慣れた演奏ですが、少しバランスが異なるように思える箇所もあります。
CD と DVD のミックスダウンの違いなのかもしれません。
こちらは画質はベスト盤と同様ですが、合唱メンバーを映す割合が多いです。
女声合唱の、追悼の曲にふさわしい服装が印象的です。
モーツァルトのレクイエムはベーム盤が評価が高いですが、私はカラヤンのこの録音が好きです。
ウィーン・フィルの楽器の音も心に沁みますし、合唱のアンサンブルも素晴らしいです。
Rex tremendae の最後の方、salva me の澄んだ響きが沁みます。
さてこれを視聴して発見がありました。
CD では曲は通常の曲間をおいて収められていますが、DVD は最初の字幕に「ラクリモサ」までしか表示されません。
そこまでしか収録されていないのだろうかと思いながら視聴していますと、「ラクリモサ」が終了すると、合唱隊などが腰を下ろし、小休止になります。
“イントロイトゥス”【入祭唱】と “セクエンツィア” 【続唱】までを前半としたわけです。
そして後半の曲目
“オッフェルトリウム”【奉献文】
“サンクトゥス’【聖なるかな】
“アニュス・デイ”【神の小羊】
“コムニオ”【聖体拝領唱】
が字幕で流れます。
よく知られている通り、「ラクリモサ」の八小節目まででモーツァルトのペンは止まっていますが、そこまでが全て完成しているわけではなく、それ以降の部分も断片が残されている部分があります。
モーツァルトが書いた部分だけを録音した珍しいものもあります。
現在はここで使われている、主にジュスマイヤーが補筆完成させた通称 ”ジュスマイヤー版” が再評価されていますが、曲の質に著しい違いがあるのは如何ともし難いとされています。
それが、こうしてはっきりと分けて演奏されると際立つのです。
これは発見でした。
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),モーツァルト,フロシャウアー(ヘルムート),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2013/03/20
- メディア: CD