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"lmages Japonaises" のエミール・ヴェルハーレンの詩 [アート]

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千葉市美術館の常設店です。

今はもう展示替えになってしまったかもしれませんが、中に一つ興味深いものがありました。



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大変珍しいことにフランス語の詩が印刷されています。



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詩はエミール・ヴェルハーレンというフランスの詩人のものです。


エミール ・ ヴェルハーレン (1855 - 1916)
19世紀後半から20世紀初頭のベルギーの詩人・劇作家。
フランス詩壇で活躍し、ポール・ヴェルレーヌ、アルチュール・ランボーらとともに象徴派の一翼を担った。
当初自然主義によっていたが、やがて独自の境地に達し、人間讃美を主題とした新領域を開拓した。
(Wikipedia)
 
 
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次のような詩です。
 L’ample dindon majestueux
 Avec son goître en pendeloques
 Avec sa pourpre et ses plumages fastueux
 Apparaît tel qu’un évéque baroque;
 Et les petits poulets qui s’arrachent, là-bas,
 Un ver et le tordent en leurs ébats
 Et gaminent sans peur,
 Me font songer à ces enfants de choeur,
 Qui vont, sitôt après les messes,
 Laper le vin, dans les burettes.
 
日本語訳は次の論文にあります。
 大場恒明
(国際経営論集No.16・17 1999
 
 はじめに
 ベルギー詩人エミール ・ヴェルハーレン(Emile Verhaeren 1855-1916)の詩篇が上田敏により『海潮音』のなかで邦訳されたのは明治38年(1905)のことで, 以後, 日本近代詩は明治末から大正期を通じてヴェルハーレンの影響を受けることになる。 
 したがって, 日本におけるヴェルハーレン詩の受容史は実態的には上田敏の紹介とともに始まると言ってよいのだが, 実は, すでにそれに先立って,  明治29年(1896), いささか意外な形で, ヴェルハーレンと日本の最初の接触が行われていたのである。 
 この出会いを実現させたのは長谷川武次郎という当時の出版業者である。彼は日本の風景画にヴェルハーレンの原詩の賛を付し, 和紙に摺った木版画の袋綴じ本を, Images Japonaises と題して出版した。 (後略)
詩は次のように訳されています。
大意:
 でっぷり肥えた七面鳥、威風堂々お出ましだ。
 緋色のからだに豪華な羽毛、患っているのか喉元を、
 下げ飾りさながらぶらさげて珍奇な袈裟着た司祭のように。
 むこうを見やれば、雛鳥たちがミミズをなぶり、奪い合い、
 じゃれ合うそぶり、こわさ知らずのいたずらざかり。
 それにつけても思い出す、ミサ手伝いのあの子たち、
 お勤め終われば一目散、ボトルのもとに駆けつけて、
 聖なるワインの盗み酒、たがいに舌を鳴らしたことを。


これらの様子が描かれています。

確かに七面鳥ですね。

珍しかったのではないでしょうか?



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版権所有
  東京市京橋区日吉町十番地 
 著者
 発行者  長谷川武次郎 
 画 者 鈴木宗太郎 
 印刷者 小宮ヤス 
 明治廿九年五月一日印刷 
 同月七日発行 


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