SSブログ

暑いのでピッチが上がる [楽器]

i2022 07 07_0012.jpg


管楽器を演奏する人は全てご存知ですが、温度が上がるとピッチ(音程)が上がります。



管楽器は吹き込んで楽器が温まることでピッチが上がります。

初心者の方などになぜ?と訊かれると中には楽器が温まることによって金属が変化するからと答える人もいるようですが、ピッチが変わるほどの変化は吹き込むことによる温度上昇では起こりません。

楽器の中の空気の温度が上がることによってピッチが上がります。


みなさん小学校くらいで勉強すると思いますが、音速は気温によって変化しますが

 日常生活上での音速というのは空気中の音速であり、近似的に温度のみの一次式で表わすことができ、
 1気圧の乾燥空気では次の式が常用されている。
  331.5 + 0.61 t (※) (m/s) (※ t は摂氏温度)
 つまり1気圧で0℃のとき音速は毎秒331.5メートルであり、温度が1℃上がるごとに音速は0.61 m/s速くなる。

(Wikipedia)

20℃だと343.7m/s、25℃で 346.75m/s ということになりますね。


442Hz では 20℃ で 343.7   ÷ 442≒0.778(m)で波長は約 77.8cm 、

       25℃ で 346.75 ÷ 442≒0.785(m)で波長は約 78.5cm ということになります。


440Hz では 20℃ で 343.7   ÷ 440≒0.781(m)で波長は約 78.1cm 、
       25℃ で 346.75 ÷ 440≒0.788(m)で波長は約 78.8cm です。


さて気温が上がるとなぜ音速が速くなるのでしょうか?

温度が上昇すると物質の密度は下がります。物体は膨張します。

ホースの中を液体が通ることを想像していただけるとわかりやすいのですが、同じ太さのホースの中が糸瓜のようになっている(物質の密度が高い)と液体は通りにくく、中に何もないければスムーズに通ります。


管楽器の中の空気も分子ですからその密度が高い(温度が低い)と音(波)は通りにくくて音速は低く、密度が低い(温度が高い)と音は通りやすくなって音速は速くなります。


別の考え方をするなら、気温が上がっても同じピッチを得るためにはより長い管が必要になるわけです。

管の長さは変えられないので相対的に間の長さが短くなったことになり、ピッチが上がるというわけです。


チューニングするとき出した音が低ければ管(チューニング管)を短くし、高ければ長くします。


しかし弦楽器は事情が異なります。

弦楽器は温度が高ければ弦が伸びてしまうので音程は下がります。



一枚目の写真はフルートですが、フルートは頭部管を 5mm 抜いて基準のピッチが得られるように作られています。

なぜ抜く位置が標準かと言いますと、気温が低い場合など頭部管を差し込んでピンチを挙げなければならない場合があるからです。


標準ではありますが、吹き方や頭部管の回転角度によってもピッチは変わります。

今日は 6mm でした。


以前はかなり外吹きにしたり内吹きにしたりしていましたが、このことろ頭部管の角度は標準の位置であるキーの延長線上に歌口が来る角度にしているので抜くのもほぼ標準です。



i2022 07 07_0015.jpg


これは iPhone のアプリで、メトロノームとチューナーの機能があるものです。

音をマイクで拾って表示するほかこの高さの音をスピーカーから出します。


針を見ながら合わせるのが多くの場合の使い方ですが、針は結構動きます。

私のレベルでは針が静止したままになることはほぼありません。

楽器を外に回したり内側に回したりしてちょうどいいところを見つけ、頭部管の角度をそれに合わせます。


しかしステージの上などでは最初にピアノに合わせますから、チューナーの音を聞いて合わせることにも慣れなければなりません。

アンサンブルで他のメンバーと合わせる時もお互いの音を聞いて合わせます。

そうそう、オーケストラがそもそもそうですね。


nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。