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薬は医師の指示に従って [本]

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読みたい記事がある時だけ買う『文藝春秋』です。


最新号は薬についてで目薬などについても書かれていたので読んでみました。

ジェネリック医薬品(後発薬)という言葉はだいぶおなじみになったと思いますが、私もよく知りませんでしたが先発薬と全く同じものではないそうなのです。

特許が切れるのは主成分だけなので基剤は同じものは使えないのだそうです。

なので後発薬が合う場合も合わない場合もあるそうで、やめるか別のものにするかなどは医師の判断に従うこととあります。


眼科に通っているわけですが、当初手術を受けた病院で処方された薬が原因と思われる炎症が発生したので別の薬(ジェネリックではありませんが)に変えましたがそれも数ヶ月で同じような症状が発生しました。

成分を見ると共通するものがありましたのでそれが原因かなと判断され、今は別の点眼薬を使っています。

炎症の件もあるのでだんだん効果が緩やかなものに変更されたわけですが、今のところ症状は抑えられているので問題が起こるまではこのままでいくと思います。


他の記事を読んでいますと次の内容に興味を惹かれました。


 創刊100周年記念企画
  山崎豊子と文藝春秋
 『大地の子』編集者の前で日本舞踊 
   平尾隆弘 文藝春秋元社長
 
『大地の子』はドラマを視、原作も読みました。
千葉県内や千葉市内のホテルでロケが行われていました。そのホテルはもうないですが。
 
P307
取材と小説の往復運動
 山﨑先生は「取材の鬼」と言われた。いつか、珍しく自作について語られたことがある。「取材取材って言うけどね、机上の空論で小説は書けない。作家やったら誰でも、どんなときにも取材してるのよ」と言われたあと、「清張さんも司馬さんも、吉村昭さんも、丁寧に取材して、文章も上手。小説も面白い。私はあんなふうにうまく書けません」と素直に打ち明けられた。
(中略)
 その点、『大地の子』は、モデルのいない利点を最大限に活用した小説である。まず全体の構想を立て、日中双方の背景を取材する。これが一つ目の取材(それだけで三年間を費やしている)。ところが、ストーリーを練りつつ、新たに二つ目の取材が始まる。読者が引き込まれるシチュエーションを想定すると、その場面や人物が実際にリアリティを持つかどうかを取材するのだ。仮にAという事件を描きたいとすれば、Aに即した類似の事件を探し出し、体験者の話を聞いていくわけである。もし、似たような体験者は一人もいない、事件Aは現実にはあり得ないとなれば、ストーリーに無理がある(リアリティに欠ける)と考え、別のプロットを用意する。想像を空想に終わらせないための、いわばモザイク的手法。
 
「机上の空論で小説は書けない」は本当にそうだと思うのですが、今書店に並んでいる小説を読むと机の上でだけで作られたのではないかと思えるものが少なくありません。
『大地の子』に関しては盗作として訴えられたという事件が記憶にありますが、山崎さんのこの取材の方法ですとその訴えにあったようなことが起こるのかもしれないと思えました。
曰く自分の作品の引揚の様子の記述から登用しているということだったと思いますが、確か裁判所の判断では引揚げの状況は誰もが同じようなものだったとして訴えを認めなかったと思います。
引揚げのエピソードを取材して書いたのならそういうことになってもおかしくはないわけですが、盗用されたと考える人がいても不思議ではないと思えます。
まだ記憶に新しいあの事件では自分の応募作から盗用されたと思った犯人が悲惨な事件を起こしたわけですが、思い込みの程度は人によって違うのですね。
 
P304
『大地の子』の最大の協力者は胡耀邦総書記(当時)だった。山崎先生は、一九八四年から毎年、異例となる三度の面談を果たし、初回に「中国を美しく書くことは必要ない。欠点も暗い影も書いてよろしい。ただしそれが真実であるならば」と取材のお墨付きをもらった。この会見が「人民日報」で大きく報じられ、先生は記事を切り抜いてパスポートに挟んでいた。各地で「取材拒否」に遭うたびに記事を見せる。水戸黄門の印籠よろしく、あっという間にフリーパスで取材ができる。北京の奥の院・中南海(共産党・政府の中枢)から極貧にあえぐ農村まで存分に見学できたのは、胡耀邦のお墨付きのおかげだった。とりわけ三カ所━━牡丹江、内蒙古、寧夏に及ぶ労働改造所の訪問と囚人へのインタビューは、空前にして絶後。外国人はむろん、中国人さえ立入絶対禁止なのだから。胡耀邦の存在がなければ『大地の子』は間違いなく執筆断念に追い込まれた。
 

さてこちらは以前どこかで読んだことがある内容なのですが、山崎さんは大層信頼を得ることができたわけですが、相手が胡耀邦でなければこうはいかなかったでしょうね。


今も胡耀邦の時代が続いていたら随分情勢は違うだろうなと思うほかありません。


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