『魔笛』の元ネタ [本]
青柳さんの本は何冊か読んでいるのですが、以前途中でやめたままになっていたこの本をまた読み始めました。
演奏会のパンフレットなどに掲載された文章を集めた本ですが、この中の
おとぎばなしと《魔笛》──グリム、エッシャー、モーツァルト
と題する文章に 1812年ドイツ啓蒙主義時代の文学者ヴィーラントが編纂した全三巻の妖精物語集『ジニスタン』の第二巻に収録された『ルル、あるいは魔笛』という物語が紹介されています。
狩りに出た王子のルルが、光り輝く妖精ペリフィリーメに会う。妖精は、悪い魔法使いに奪われた宝物と娘をとり返してくれと頼み、成功したら娘を与えようと約束する。王子は、聞く者すべてをなびかせる魔法の笛や魔法の指輪を持って、魔法使いの城に向かう。
『魔笛』は第一幕と第二幕で話ががらっと変わってしまって、悪者であったはずのザラストロが実は高僧で夜の女王の方が悪者であった、とか王子タミーノが着ているのが日本の狩衣であるとか、パパゲーノの職業が "鳥刺し" というなんだか分からないものであるとか、謎の多いオペラです。
モーツァルトの音楽がなければとっくに忘れられてしまったでしょう。
このオペラについての研究書は以前も触れましたジャック・シャイエのものが知られています。
どちらも同じ本のようです。
翻訳者の一人は先日取り上げました「モーツァルトとの散歩」を訳されました 高橋 英郎 さんです。
文章の面白さでいえばもと N響のヴァイオリニストの鶴我さんの方がお勧めなのですが、こちらの青柳さんのおじいさんはフランス文学者の青柳瑞穂さんです。
このモーパッサンの作品集は中学生の頃何度も読みました。
読んだ事のない方にはこちらもお勧めしたいですね。
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