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『魔笛』の元ネタ [本]

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青柳さんの本は何冊か読んでいるのですが、以前途中でやめたままになっていたこの本をまた読み始めました。



演奏会のパンフレットなどに掲載された文章を集めた本ですが、この中の

 おとぎばなしと《魔笛》──グリム、エッシャー、モーツァルト

と題する文章に 1812年ドイツ啓蒙主義時代の文学者ヴィーラントが編纂した全三巻の妖精物語集『ジニスタン』の第二巻に収録された『ルル、あるいは魔笛』という物語が紹介されています。


 狩りに出た王子のルルが、光り輝く妖精ペリフィリーメに会う。妖精は、悪い魔法使いに奪われた宝物と娘をとり返してくれと頼み、成功したら娘を与えようと約束する。王子は、聞く者すべてをなびかせる魔法の笛や魔法の指輪を持って、魔法使いの城に向かう。


『魔笛』は第一幕と第二幕で話ががらっと変わってしまって、悪者であったはずのザラストロが実は高僧で夜の女王の方が悪者であった、とか王子タミーノが着ているのが日本の狩衣であるとか、パパゲーノの職業が "鳥刺し" というなんだか分からないものであるとか、謎の多いオペラです。

モーツァルトの音楽がなければとっくに忘れられてしまったでしょう。


このオペラについての研究書は以前も触れましたジャック・シャイエのものが知られています。


魔笛―秘教オペラ (1976年)

魔笛―秘教オペラ (1976年)

  • 作者: ジャック・シャイエ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 1976
  • メディア: -

 

魔笛 ─ 秘教オペラ (書物復権)

魔笛 ─ 秘教オペラ (書物復権)

  • 作者: ジャック シャイエ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 単行本

 

どちらも同じ本のようです。

翻訳者の一人は先日取り上げました「モーツァルトとの散歩」を訳されました 高橋 英郎 さんです。


モノ書きピアニストはお尻が痛い (文春文庫)

モノ書きピアニストはお尻が痛い (文春文庫)

  • 作者: 青柳 いづみこ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/11/07
  • メディア: 文庫





文章の面白さでいえばもと N響のヴァイオリニストの鶴我さんの方がお勧めなのですが、こちらの青柳さんのおじいさんはフランス文学者の青柳瑞穂さんです。

 


モーパッサン短編集 (1) (新潮文庫 (モ-1-6))

モーパッサン短編集 (1) (新潮文庫 (モ-1-6))

  • 作者: モーパッサン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/01/19
  • メディア: 文庫





モーパッサン短編集 (2) (新潮文庫)

モーパッサン短編集 (2) (新潮文庫)

  • 作者: モーパッサン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/02/02
  • メディア: 文庫

 

モーパッサン短編集 (3) (新潮文庫 (モ-1-8))

モーパッサン短編集 (3) (新潮文庫 (モ-1-8))

  • 作者: モーパッサン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/03/01
  • メディア: 文庫

 

このモーパッサンの作品集は中学生の頃何度も読みました。

読んだ事のない方にはこちらもお勧めしたいですね。



 

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