ギターの不思議 [楽器]
チェロの駒です。
ヴァイオリンと同じように高音側が少しなだらかになっています。
こう見るとよく分かります。
こちらがヴァイオリンです。
チェロですが、弦に対しては直角になっています。
ところがギターはそうではないのです。
弦が直接触れている横長の白いパーツがサドルと呼ばれるパーツです。
このギターでは正面から見て水平ですが、
こちらは右に向かってあがっています。
高音側の弦長が短いことになります。
これはまたほぼ水平です。
こらはまた少し右上がり。
低音側4本と高音側二本に分かれていてその傾きが大きいです。
こちらは傾きは同じくらいですが分かれてはいません。
少し下から見ると高音側二本が低くなっています。
これは直線で右上がり。
エレキギターも見てみます。
弦毎に調整でき、傾向としては右上がりです。
こちらはベースギターです。
これらの理由について楽器店でも明確な説明が聞けませんでした。
フレットはいずれも水平に打たれていますが、サドルがこの写真の方向で上にあるということは弦長が短いということになります。
オクターブ上の音が鳴るのは弦長の 1/2 の位置を押さえた時です。
ヴァイオリンやチェロのようにフレットがないならば押さえる位置は調整できます。
しかしギターのように(リュートもそうでしょうが)フレットが水平に打たれていていると、サドルが例えば最低音の弦の位置に対して 1cm 上にあるとすれば弦長がそれだけ短く、オクターブが鳴る位置が相対的に高音側(ブリッジ側)に近くなっていることになります。
しかしこれで実際に鳴る音は合っているのです。
なぜなのでしょう?
不思議です。
ヴァイオリンがこのようになっているとは、知りませんでした。
楽器も詳しく見ると面白いですね。
by 青竹 (2012-11-07 11:52)
おそらく、弦長を変える事で、テンションを変えているのでしょう。低音弦のテンションが低いと、弦が振動した時に指板に当たってしまう(ギターはヴァイオリンなどよりも、弦の振幅が大きいんですよ)ので、多少でもテンションを高くして弦の振幅を小さくしたいでしょうし、高音弦はテンションを高くすると、それだけで弦が切れ易くなってしまうので、多少でもテンションを低くしたい…そのために、駒の位置を微調整して、弦長を変えて演奏しているのだろうと思います。
>サドルが例えば最低音の弦の位置に対して 1cm 上にあるとすれば弦長がそれだけ短く、オクターブが鳴る位置が相対的に高音側(ブリッジ側)に近くなっていることになります。
>しかしこれで実際に鳴る音は合っているのです。
厳密には合ってませんよ。ギターという楽器は、基本的に、微妙に音痴な楽器なんです。それはハーモニックス奏法をすると分かります。たとえ微妙に音痴な楽器であっても、同時に複数の音を鳴らすために、多少の事には目をつぶっているだけの話で、平均律にせざるをえないピアノと、そのあたりの事情は一緒かもしれません。ですから、単音で弾く時は、ディストーションやオーバードライブなど、音程を不明確にするエフェクトをかける事が多いのは、そんな理由からかもしれません。
by すとん (2012-11-07 17:41)
青竹 さん、こんばんは。
私もヴァイオリンを習うまでは知りませんでした。
他の楽器でも知らないことがたくさんあるのでしょうね。
by センニン (2012-11-07 21:32)
すとん さん、こんばんは。
これは目から鱗が落ちるようです。
クラシックギターのサドルの傾斜が小さいのもそれで納得できます。
擦弦楽器の駒がこのような形になっているのも多分それが理由でしょう。
音は合っていないという点、なるほどです。
やはりそうだったのかと思います。
ギターもフレットの打ち方を変えたらどうかとも想像します。
あるいは指板をヴァイオリンのような構造にしてみたらどうかなどとも想像します。
ディストーションや OD はエレキギターの場合ですね。
ここまで書いてきて E.Bass を弾いていた時のことを思い出しました。オクターヴ調整をやったものでした。
ヴァイオリンなどにフレットがないのは当然なのですね。
余談ですがもしクラシックギターを買う事になったら 桜井 か 河野 を選ぼうと思います。
by センニン (2012-11-07 21:41)