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英訳は慎重に [楽譜]

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以前取り上げました新しい曲集ですが、前回からこの中の曲を使って歌い方とビブラートのレッスンを受けています。


使うのは日本の歌です。

よく知っていて歌いやすいからでしょう。


日本の曲は六曲収録されています。

良い曲ばかりですが、ふとタイトルを見てちょっとした違和感を覚えました。

英語で表記したものは初めて見ました。


違和感は添えられた英語表記に対してです。



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「小焼け」ってなんですかと面と向かって聞かれると多くの人は戸惑ってしまうでしょう。

ネットを検索すると

 太陽が沈んだ後に空が赤くなる現象

などと説明しているサイトがいくつもありますが、それは違うと思います。


「こやけ」というのは「ゆうやけ」に続けて使うことで調子を整える働きをします。

他の例では「おおさむ こさむ」「なかよし こよし」などがあります。



ここに添えられた英語タイトルは「太陽が沈んだ後に〜」の解釈を取り入れてしまっているように思えます。


ちなみに最新の一般的な国語辞典には「こやけ」の項目はありません。


「夕焼け」の英語表現は evening glow, glow of (the) sunset, sunset glow などがあるようです。
なので Sunset だけでも良いのではないかと思います。
あるいは The sun set and the sunset..(太陽が沈んで夕焼けになった。)というような表現でどうかと思います。



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たまたまですが「赤とんぼ」の歌は「ゆうやけこやけの」で始まります。



赤とんぼといえばよく見られるのはアキアカネですが、特定の種類を指すものではないようですからこの英語表記は妥当でしょう。



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北原白秋の詩による曲ですが、資料によれば白州の子供の頃の思い出を描いたものではなく北海道旅行などの印象をもとにしたもののようです。


英語タイトルは

 この道路は以前通った道だ

という意味になっていてそれほど違いはないように見えます。


「道」は road, path, way などが考えられますが、昔の田舎の道であれば大通りではなさそうです。
「いつか」のニュアンスも難しいですね。
 This must be the path I once took
あたりでどうかと思います。
一度とは限りませんが。



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これはいいかなと思います。




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これだと「田舎の家」というニュアンスです。

 Home town

あるいは

 Birthplace

が良いのではないかと思います。



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この場合の花は桜ですね。

隅田川ですし。

 Cherry blossom

 
これらの英訳が海外向けの学種でよく使われるものなのかどうかは寡聞にして知らないのですが、そうだとすればかなり古い訳かもしれませんね。
 
 
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