やっぱり違う [楽器]
新年初めての練習でした。
今日から Aihara Flute の Kaorimo を使うことにしました。
しばらく使っていないのですが、少し鳴らし込もうというわけです。
年末まで使っていた YAMAHA YFL-981D と共通する部分もあれば異なる部分もあります。
上が Kaorimo、下が YAMAHA ですが、
Kaorimo:管体銀、インラインカバードキイ、H足部管、Eメカ無、音孔引上カーリング、
YAMAHA:総 銀、インラインリングキイ、 C足部管、Eメカ有、音孔引上カーリング
という構成です。
今回着目するのは Eメカの有無です。
昨年 YAMAHA の 884BJ(Eメカ無、C足部管)と 894BJH(Eメカ有、H足部管)を比較して違いの大きさにちょっと驚いたわけですが、よく言われているように H足部管付きの方が落ち着いた音色です。
でもそれだけではなくて音の重心の位置や倍音構成がかなり違うのです。
前田綾子さんがお使いの 884BJ ですが、音の華やかさや煌めきが感じられてこれが本来の Bijou モデルの音ではないかと思えたのです。
894BJH の方は反応が良く遠鳴りしているのではないかという手応えがあったのですが、884BJ の方は音の繋がりや立ち上がりなど少し慣れが必要な印象がありました。
以前二度使ったことのある 894BJ(C足部管)とはどちらも違いましたが、 894BJ と 884BJ がこんなに違うとは驚きでした。個体差もあるとは思いますが、それだけではないと思えました。
上の Kaorimo は Eメカなし、下の YAMAHA は Eメカありです。
Eメカの有無だけではなくその両側のキーの感覚が異なることがご覧いただけるでしょうか?
このため G 周辺の音程に違いがあります。
見づらいですが、このレバーが下がることによってその右のキーが一緒に押し下げられる機構になっています。
Eメカがない楽器は右のキーは下がらないわけです。
これが後ろで連動させている機構です。
これはわかりづらいですね。
上が押し下げられていない状態、下が押し下げられた状態です。
Kaorimo は独特な音がします。
相原さんの楽器とも違う音がします。
敢えて言うなら例えばカステラの断面のように鳴っている音の上の方に下とは異なる凝縮した倍音が乗っているようなイメージがあって、その層のすぐ下は少し薄くなっているというような感じです。
管体が銀でメカは洋銀なので総銀の Aihara とは違いがあって不思議ではないのですが、この倍音の出方は独特です。
ただそのままでは好みの傾向とは違うのでクラウンを交換してみました。
右がもともと付いているジュエリークラウンで、夜光貝が使われています。
左は Aihara の黒珊瑚のリップの頭部管に付いていたもの、
中央はしばらく前に別途購入した Aihara の普通のクラウンです。
中央のクラウンが一番充実した音でした。
Kaorimo の刻印。
YAMAHA の刻印。
Kaorimo の歌口。
歌口の形状と大きさはどちらも大きめでスクエアに近いのですが、Kaorimo はウィングのように音を集める構造になっています。
上が Kaorimo の C足部管。
下が YAMAHA の H足部管。
どちらも音孔は引き上げでカーリング処理がされています。
YAMAHA ではクラッチ付き Eメカというオプションがあります。
普段は Eメカ付きとして使って、外したい時はレバーをずらしてキーが連動しあにようにすることができるという仕様です。
これは今でもオプションで注文できるそうですが、楽器を注文するときに一緒に注文しなければなりません。
昨年試奏して以来ずっと考えているのですが、Eメカがない方が響きが良いのではないかと思えます。
前田綾子さんは Eメカで出す Eの音が嫌いだからとしているのですが、Eの音だけではないのかもしれないと思えてきました。
注文まではなかなかできませんが、Eメカのない楽器を買って必要な時は相原さんの後付けの Eメカを付けたらいいのではないかと思うのです。
もちろんそれでは曲の途中で素早く切り替えるということはできないわけですが、仮に付けっぱなしにしたとしても音色はもともと付いているものより良いのではないかと思えてきました。
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