「Lemon」はダブルオカリナ以上で [楽器]
子雷(Zilei)オカリナが知られるようになったきっかけの一つは中原蘭さんの「Lemon」の演奏であったようです。
使用楽譜も明示されていますが、以前も触れましたがそれをそのまま使っているのではなくてトリプルオカリナの性能をフルに生かして音域を拡張しています。
というのは実は逆で、シングルオカリナで演奏するためにはオリジナルの音域が広すぎるので部分的にオクターブ下げられているわけです。
使用楽譜を購入して中原さんの演奏通りの譜面を作っています。
五線の中央の B♭から始まってすぐオクターブ下の B♭まで下がります。
さらに進行すると市販の楽譜で下げられている部分をオクターブ上げて最初の音のオクターブ上まで上がります。
結局この曲はフルに二オクターブを使っているわけです。
シングルオカリナは一オクターブ半くらいが音域なのでそのままでは演奏できないわけです。
音域が合えばダブルオカリナ(楽器による)でも演奏可能です。
楽譜を見るとト短調で始まり、後半はト長調になります。
これは音楽用語では “同主調転調” といいます。
余談ですが調号が同じ長調と短調(ハ長調とイ短調など)を平行調と言います。
同主調転調の曲の例はよく知られている曲ではビートルズの
“While My Guitar Gently Weeps”
“The Fool On The Hill”
あたりでしょうか。
米津さんはさりげなくこうしたテクニックを使われているのですね。
で、子雷オカリナのこのトリプレットですが、基本が AC なので下は A までです。
しかしこの楽器はちょっと変わっていて下の A と B(H)は運指が同じで息の強さで音を変えるようになっています。
B♭はまあまあ容易に出せそうですが、演奏しやすいとは言えません。
そんな楽器であんなふうに演奏できる中原さんはすごいですね。
全く演奏しづらそうに聞こえません。
さてトリプルオカリナは子雷オカリナでは AC のほか AF、AG もあります。
大きくなるので当然高いですが、高い音の運指で使えるので(譜面は移調します)少し演奏しやすくなるかもしれません。
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