MQA-CD [オーディオ]
CD も登場してからずいぶんな年数が経ちましたが、今になってみると音質的な不満もずいぶん指摘されていろいろな方式の高音質 CD が登場しています。
ご存知の方も多いと思いますが CD の サンプリング周波数 44.1kHz、量子化ビット数 16bit という規格は SONY と PHILIPS が決めたもので、当初 PHILIPS は 14bit を主張したそうですが SONY が 16bit を譲らなかったそうです。
44.1kHzというのは 20kHz までを収めるために必要なサンプリング周波数ですのでこの点は一致していたようです。
それがそれでは足りないとして 96kHz, 192kHz とだんだん上がっていき、32bit, 64bit とエスカレートしていき、やがて DSD(Direct Stream Digital)も登場します。
録音のハイサンプリング化の他に素材の改良も行われ通常のポリカーボネートの光学的特性を向上させたものや蒸着をアルミから金にしてみたりピットの成形の精度を上げたりして読み取り精度を上げる努力もなされます。
今は見られませんが CDレコーダーで記録のスピードを規格の上限まで上げて収録時間を短くしてまで読み取りの精度を上げようという試みもなされました。
読み取りの精度がどう問題になるかというと CD は音飛び対策などのために一旦読み取った信号をバッファーに溜めてから処理して送り出しています。このとき読取エラーなども補完処理しますが、読み取り精度が悪と補完処理が多くなり、結果として音質が劣化するのです。
サンプリング周波数に関して言えば人間の可聴帯域は 20Hz~20kHz ですからその倍以上の 44.1kHz で記録すればもれなく収められるはずなのです。
一応補足しますが、 44.1kHz でサンプリングするということは 1秒間に 44,100回区切って値(音の波の位置)を取り出すことになりますが、音の波は 0から上がって頂点(+1)まで上がり、また 0 を通って底(-1)に至り、また 0 まで戻る、そこまでが一つの波ですから一秒間に最低でも二回サンプリングしないと波が記録できないのです。
この例で記録できる波(周波数)は 1Hz。
20kHz を記録するためには最低でも 40,000回以上切り取らなければいけないわけです。
ご存知の通り人の耳は加齢に伴い高音が聞き取りにくくなり、若い人でも実際は単独で鳴らされた 20kHz の音を聞き取ることはできません。
人生半分を生きた人なら 16kHz も怪しいものです。
しかし不思議なことに音楽を聴いた場合は 20kHz 以上の音をカットされたものとそうでないものは違いを聞き分けることができるのです。
不思議なことですが、私見では倍音の乗り方の違いによる音色の違いとして聴いているのではないかと思います。
そんな中最近登場したこの CD は全く新しい記録方式を採用したもので、 SACD(Super Audio CD)と同じように専用の再生機器が必要です。
クリスタル・ディスクというのはガラスを使ったディスクのことです。
クラシックの名盤とジャズ、POPS の名盤が限定で発売され、それぞれ聴きどころを収めたサンプラーが出ています。
MQA-CD の解説や盤についてはメーカーサイトをご覧ください。
このサンプラーにはあの「枯葉」が収められているので、オススメです。
通常 CD との二枚組ですからリマスターされた音源を通常の規格で楽しむこともできますし、将来対応機器で違いを確かめることもできます。
千葉そごうの山野楽器ではデモを再生していました。
控えめな音でしたが上下左右の広がりが感じられる音で、無理に作ったようでないその音にはとても惹かれるものがありました。
オーディオ機器は楽器以上にきりがありませんのでここで使われた機器は特別高価なものとは言えませんが、普通に楽しむには十分なものと思えました。
最近カセットテープもレコードプレーヤーも復権しているようですが、カセットテープは音質には限界がありますがレコードは良いプレーヤーシステムと最新のアンプ、スピーカーがあれば私が最初に手にしたシステム以上の音が聴けるかもしれません。
Mac や PC で聴くにはコンバーターを使えばとりあえずヘッドホンで聴くことができます。
今回限定発売とされているのがちょっと気になりますが、ここでリリースされたタイトルはそれぞれのジャンルで名盤とされているものだろうと思いますので既に持っているものでも買っておいても損はないと思います。
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