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楽器の長さをご存知? [楽器]

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お天気は懸念したほど荒れませんでしたね。



さて先日の記事でアイーダトランペットの長さに触れました。

in C で約1.2m でした。

普通のトランペットは管が曲げられているので気柱の長さはどうやって測ったら良いか素人にはわかりませんのでこの数字に注目しました。

フルートやクラリネット、オーボエなどのまっすぐな管楽器は簡単です。



フルートの長さを測るには長い掃除棒(YAMAHA で売っているクリーニングロッドのロングタイプ)を使うのが一番簡単ですが、まっすぐ保持するのが結構大変です。

ホームセンターで直径17mm の丸棒を買ってくれば良いですが、ここにはないので横着をしてメジャーを当てます。

 

 

メジャーの 0 の位置が反射板の位置で、ここから端までが気柱の長さです。




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頭部管を 5mm 抜いた状態が標準ですのでそうしています。

この楽器は H 足部管付なので約65cm です。




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C と H の音孔の間隔が約3.5cm ですから単純計算で C 足部管付の楽器は約61.5cm となります。

 

もう一つ考慮しなければならないのはフルートの “開口端補正” ですが、これはフルートのように端がストンと切れている楽器は理論上の長さより短くしなければ正しい音高が得られないという事で、パイプオルガンのパイプも同じように理論上の長さより短く作られます。

空気の波は管が終わったところで空気の壁に当たって反射する(音孔を開けるとそこが管の端になる)わけですが、空気は固体ではないので波はそこですぐ反射されずに開口端から少し出たところで折り返します。

 

この少し出たところが理論上の長さですので、その “少し” 分、管を短く作らなければならないのです。

 

この "補正" を開口端補正と言います。

 

簡単に言いますと、フルートは理論値より少し短く作られているということです。

 

さて in C のトランペットの長さが約1.2m でしたのでフルートのほぼ倍あることになります。

細かいことを言えばマウスピースの長さやロータリーを通る分の長さも加えなければならないのですが、ほぼ倍であると思っていただいて良いでしょう。

 

ほぼ同じ音域を持つフルートとトランペットの長さが倍も違うのはどういうことでしょうか?

細かいことは省きますが、トランペットが出せる一番低い音はペダルトーンと呼ばれる、普通の “ド” のオクターブ下の音です。

トランペットなどの金管楽器はペダルトーン(基音)の1オクターブ上の第二倍音から上を演奏に使います。

 

4番ピストンを持つユーフォニウムやテューバはその普通の “ド” から下に下がることはできますが、メロディーを演奏することは困難です。

トランペットのオクターブ下のトロンボーンやユーフォニウムはさらにその倍、バステューバはさらにその倍の長さがあることになります。

 


参考: A=442Hz の時 C≒262.8Hz、波長≒1.294m、半波長≒0.647m

開口端補正は演奏する音の高さで異なるわけですが、音孔を全部閉じた状態を考えます。

 

ちょっと宣伝になりますが、相原さんのフットフォンを着けると管の長さが理論値に近くなります。

 

 

余談ですが、クラリネットは管の構造が違うので低い音まで出ます。




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練習場所に行く途中で見ました。




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蜂が忙しい季節です。


 




 

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コメント 6

middrinn

蜂が必死にしがみ付いている感が出てます(^_^;)
実際は、そうでもないのかもしれませんけど^_^;
by middrinn (2018-05-13 20:55) 

センニン

middrinn さん、こんばんは。
ああ、そんな感じに見えますね。
実際は結構あちこちを探っていました。
写真は一瞬を切り取りますから、過去にはいろいろ問題になった写真がありました。火を消しているのか踏みつけているのか、ハゲタカをなぜ追いはらわなかったのか、などなど。
瞬間を切り取って "決定的瞬間" という言葉を流行らせた写真家もいました。
感じたままがよろしいかと。
by センニン (2018-05-13 21:22) 

Boss365

おはようございます。
ふと疑問?・・・楽器の長さ?
トロンボーン?音階をスライドで調整!?
最長・最短があり・・・長さが変化するぞ!!
楽器色々あってコンフューズするだにゃ!?by すもも(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2018-05-14 09:00) 

Yamamoto

こんにちは、一枚目の写真の蛾、子供の頃は良く見た蛾の一つです。
昔は家の周りを普通に飛んでいました。
楽器の長さは、製造するにも重要な要素でしょうか。
by Yamamoto (2018-05-14 13:35) 

センニン

Boss365 さん、すももさん、こんばんは。

木管楽器は管体にあいた穴をふさいだり開けたりして気柱の長さを調節しますが、
金管楽器は(トランペットなど大部分は)ピストンやロータリーヴァルヴで迂回管に切り替える(管を付け足すようなもの。管長が長くなる)ことによって全体の長さを調整します。

そんな中トロンボーンだけ
(ややこしいですがヴァルヴトロンボーンというのもあってスライドトランペットというのもあるのですがとりあえず脇においときます)
はピストンを持たないのであのスライドで管長を調節します。
スライドを伸ばさない状態が標準です。

さて以前ちょっと取り上げたことがありますが、ピストンでもロータリーヴァルヴでもひとつ押せば迂回路を通るために管の長さは長くなります。
でも例えばトランペットでは何も押さない状態でドを出しますが、一音高いレを出すときは一番と三番のピストンを押します。
一番は一音、三番は一音半下げますので二音半下がることになります。つまり、普通に考えれば下のソが出るはずです。
確かにその音が出ますが、レも出ます。(次はその上のソが出ます)
それはレがソの倍音だからですね。ソの五度上の倍音がレなのです。

そういうわけでトランペットのような楽器は常に管長を長くしながらその倍音で音階を作っているわけです。

トロンボーンも原理は同じで、管を長くしながら倍音で音階を作っています。
by センニン (2018-05-14 19:52) 

センニン

Yamamoto さん、こんばんは。
このところ青白い大きな蛾をよく見ます。

楽器の長さ、重要です。
昔は今のような設計手法はなく経験で作っていました。
ニッカンはフルートを作り始める時に村松孝一さんに教えを請いましたが、ヤマハがニッカンを吸収して管楽器を作り始めた当初は少なくともフルートに関しては設計図はなかったそうです。

それは昔の話ですが、管長=調子(キー)ですので、これが決まらないと楽器を作ることができません。
調子が異なれば管楽器では迂回管の長さが異なりますし、木管楽器ではトーンホールを開ける位置も異なります。

by センニン (2018-05-14 19:58) 

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