私家版:ハチ公文献集 [本]
去年の二月、東大農学部キャンパスにハチ公と上野博士の像を見に行きました。
これらは以前掲載したものの再掲です。
それ以来以前よりハチ公に対する関心が高まりました。
国立科学博物館にハチ公の剥製を見に行ったり書籍を買ったりしているうちにもっと深く知りたくなったのですが、なかなか良い資料はありません。
いろいろ調べているうちにまとまった資料集が書籍として自費出版されていることを知りました。
立派な装丁です。
何部作られたのかわかりませんが、相当な費用がかかったでしょう。
ハチに対する思いが凝縮されています。
その情熱に頭が下がります。
出版されたのは 1991年です。
このほか「渋谷駅100年史 忠犬ハチ公50年」という書籍が 弘済出版社から 1985年に出版されています。
この資料集の内容は目次をご覧いただきたいのですが、昨年の銅像以前に同じようなことが考えられたことがあったという内容がありましたので一部をご紹介します。
P.351
第七章 ハチ公のほんとうの気持
上野博士と五十九年ぶり銅像同士の対面
昭和五十九年四月七日の『毎日新聞』
『ハチ公』と『ご主人』
銅像ご対面
「えっ、ハチ公が待っていたのはこの先生なの」と知った同学科(管理人注:東大農学部農業工学科)の学生たちが「それじゃ会わせてやろうよ」と、教室の廊下でホコリをかぶっていた銅像をハチ公まつりの開かれる八日、渋谷まで運び、銅像同士ご対面。
上野博士は大正十四年五月二十一日、大学内で急逝した。博士が可愛がっていた秋田犬のハチ公が、その後十年近く、渋谷駅頭で主人の帰りを待つ姿が新聞に報道され、「忠犬ハチ公」として一躍美談のスターに。昭和九年四月には募金で銅像が建った。
戦後「ハチ公は主人を待っていたのではなく、焼き鳥やおでん屋の残飯が欲しくて来ていた」などという異論が出て論争を生んだこともあったが、渋谷駅に事務局を置くハチ公銅像維持会が毎年、四月八日にハチ公まつりを主催してきた。
P.354
大学の備品となった銅像。だれが作り、いつから大学にあるのか、教官や古い職員もわからない、という上野博士の銅像は、門下生であった牧隆泰編『農業土木学の始祖・上野英三郎博士の足跡・生誕百年を記念して』農業土木学会 によると、上野博士の遺徳を後世に伝えるために記念事業の一つとしてつくられた。
この本は非売品ですが、出版当時各地の図書館に寄贈されたようです。
今検索してみると次の場所にあると出ます。
閲覧できるかどうかはわかりません。
自費出版なので国会図書館には収められていないのかもしれません。
国立科学博物館書庫
東京大学 農学生命科学図書館図
東京大学 農学生命科学図書館講座
奈良県立図書情報館一般
藤女子大学 図書館本館
横浜市立大学 学術情報センター
こちらは以前撮った渋谷のハチ公像です。
また会いに行ってみましょうか。
こんにちは!
このハチ公像のほうがずっと素敵だ!
ほのぼのとした感じになります!
by Take-Zee (2017-07-27 07:22)
おはようございます。飼い主に忠実なこと、素晴らしいですよね。^^;
by ソニックマイヅル (2017-07-27 09:51)
Take-Zee さん、こんばんは。
東大のハチ公像は多分元気だった頃の姿、渋谷駅のは晩年の姿です。
渋谷の像は戦争中二宮金次郎の像と同じで供出され、現在のものは戦後作り直されたものです。
東大のものはいつ頃の姿を再現しようかと検討されたのだと思いますが、上野博士に可愛がってもらった若犬の頃の姿にしようと決められたのでしょうね。
by センニン (2017-07-27 20:02)
ソニックマイヅル さん、こんばんは。
映画にもなって、アメリカでもリメイクされましたね。
実話であることが一層感動を呼ぶのですね。
by センニン (2017-07-27 20:05)