虹色の倍音:黒珊瑚 [楽器]
黒珊瑚というのは通称で、 “深海松”、”レインボーコーラル” と呼ぶのが正しいようです。
「虹色珊瑚」として宝石として扱われ、ルアーなどにも使われるそうです。
研磨したものを水に漬けるととてもきれいなのだそうです。
主成分は炭酸カルシウムで、見た目より重く、手に取った感じではグラナディラと似ています。
今回夜光貝、象牙二種類、黒珊瑚を比較試奏しました。
歌口の形状は顕著な違いはありませんが、象牙の左の方がやや大きめで四角に近い形状をしています。
もう一本の象牙は殆どカットされていません。
材料の取り方も木材の板目と柾目のような違いがあって、右の象牙は印象を作る時のように象牙の中心部を贅沢に使っています。
木の年輪のような模様にそれが現れています。
夜光貝はもともと “ヤクガイ” と呼ばれていて、”夜光貝” と書いてヤクガイと呼んでいたそうです。
屋久島を北限とする一帯が昔「やく」と呼ばれていたそうですが、屋久島の「やく」とは直接は関係ないようです。
光る性質はありません。
夜行性ですが、それはこの貝だけではないでしょう。
夜光貝の反射板を取り付けています。
音色はと言うとこの 4本は二つの傾向に分けられます。
夜光貝とその右の象牙はどちらかというと現代の楽器を使い慣れた人には馴染みやすい傾向で、象牙の方は大音量は無理ですが、よく通る、それでいて金属では決して得られない響きを持っています。
もう一本の象牙と比べるとコントロールはしやすいですが、反面象牙らしさはやや弱くなります。
夜光貝は見た目もきれいでコントロールもしやすく、普通の頭部管と差し替えて使うには最適と言って良いでしょう。
こうして比べてみて言えることは、素材、歌口の形、カットそれぞれだけをとって比較してもどんな音がするかは使ってみなければわからないということです。
こういう素材でこういう形でこういうカットをすればこうなるとは決められないのです。
およその傾向というものはありますが。
ただ、相原さんが常におっしゃっているのは歌口の大きさは小さい方がその素材の持ち味が出るということです。
相原さんだけが知っている秘密があるのかもしれません。
今、黒珊瑚のクラウンをお願いしています。
これだけが金属のクラウンなので、ぜひ合わせたいのです。
また、夜光貝の反射板を他のものにも取り付けてみようかと考えています。
入れ替えてみてもともとの持ち味と大きく異なってしまうようだと困るので、試してみて、ということですが。
象牙の反射板も気になってきました。
象牙は白くて綺麗ですね。
管楽器は甲子園で見てとても暑そうでしたが大丈夫なのかとても気になりました。
by yamatonosuke (2016-08-17 01:12)
こんにちは!
リッププレートにもこんなに素材の種類が
あるんですね。 金属しか知りませんでした。
by Take-Zee (2016-08-17 17:13)
yamatonosuke さん、こんばんは。
象牙は表面も滑らかでとても良いです。
管楽器は本来汗や埃にさらされる野外は避けたいのですが、金管楽器は水洗いが出来るのでともかく、木管楽器はできれば持ち出したくないのです。雨でも降ろうものなら最悪です。
それでもフルートは高校野球で見かけるのは金属製ですが、クラリネットは学校によりますが、高価な木でできています。
こうした場面では繊細な音は必要ないので初心者用の樹脂製のものを使うという手もあります。
甲子園も吹奏楽コンクールも常連という学校は多分そうした対策を取っていると思います。
なお、余談ですが、ファウルボールという危険もあります。
私の母校では以前ホルンが犠牲になったことがあります。
by センニン (2016-08-17 20:37)
Take-Zee さん、こんばんは。
普通は金属です。
相原さんだけでしょうね、これだけいろいろ試みているのは。
大手メーカーではできないこういう点に個人工房の強みがあります。
by センニン (2016-08-17 20:38)