マイセン:色絵(梅)竹虎文皿 [アート]
6/29 で閉店した株式会社創美 船橋店さんですが、我が家から最も近いお店は銀座店という事になります。
銀座店は以前は有楽町駅に近い場所にありましたが、現在はソニービルの並びの千疋屋ビルの3階と4階にあります。
閉店前に行ってみましたところ、いくつか珍しいものがありました。
その一つはこれ、マイセンの柿右衛門写しです。
年代は説明によれば 1860 - 70年です。
この絵柄は大層人気があるそうで、1700年代始めの頃に原型が作られ、姿を変えながら現在でも作られています。
虎は動物の王で、その虎の安住の地が竹林なのだそうです。
竹と虎の部分を拡大したのが上の写真ですが、年だか妙な絵ですね。
左前足らしき部分が変ですし、そのすぐ上や口の間の竹が見えるべきところに何もありません。
また、右側の梅の花が咲いている幹のような部分のうち青い枝らしきものは妙にぎくしゃくとした感じで、梅らしくありません。
柿右衛門のオリジナルを確認できたらと思っていましたところ、千葉そごう 9F のベルロワイヤルさんで昔の展覧会の図録を教えていただきました。
千葉そごう に美術館があった頃の平成 10年5月に行われたときのものですが、その P.25 に全体図、P.24 に部分の拡大が掲載されています。
これを見ると左前足は竹の根元を外側から抱え込んでいて、竹は首の向こうに隠れていることが分かります。
竹も竹らしく描かれていますね。
右側の梅の枝は古い朽ちた株の脇から伸びた若い枝であることが分かります。
竹と梅と来れば松かなと思ったのですが、梅のようです。
確かに虎がいるので松竹梅という主題とは違うのでしょう。
ネットオークションで "マイセン" と "竹虎" のキーワードで検索すると無関係なものの中にマイセンの製品とされているものがいくつも見つかります。
しかしそれらを良く見ると表面の状態や絵付の線や色、窯印、そして最も大事な絵から受ける印象がどう考えてもおかしいとしか思えないものが多いのです。
人気があるだけに怪しいものが非常に多いのが柿右衛門で、その中でもとりわけ人気があるこれは偽物も大変多いのだそうです。
本物で古いものあれば私など見ることさえできないのだそうです。
今回のマイセンはそれより 100年ほど新しいものですので出会うことはできました。
ネットオークションであまりにも安い価格で出品されているものはあやしいとまず疑ってかかった方が良いそうです。
本当に価値のあるものなら安売りする必要はないのですから。
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