SSブログ

ハンドメイドは何本作れるのか [それはいけない]

sbz2011_0928_205035AA.jpg

しばらく前にメーカーによるハンドメイドの定義の違いを取り上げました。
ハンドメイドの楽器を注文すると少なくとも3ヶ月、永ければ半年くらい待たなければなりません。
コタト&フクシマは2年以上かかるようですが。
(今バスフルートが山野楽器に入荷しているようです。即納だそうですから欲しい方はぜひ)

一人の職人が一本を仕上げるとすると取りかかってから完成するまでにどのくらいかかるものでしょうか。
良い仕事をしようとするなら一日で出来上がるという事はないでしょうね。
分業なら場合によっては何とかなるかもしれません。
1つの部品を作る事に専念するなら一日に何個も作る事も可能でしょう。


さてある人物がネットオークションに商品を出品するにあたり「ムラマツで3万本の製作に関わった」という意味の事を商品説明の一部に一時記載していました。
何気なく読んでいれば定年まで勤めたのかなと思うところですが、 muramatsu は全てハンドメイドという事を知っていたらちょっと驚いて読むかもしれません。

試算してみましょう。
一年に何日勤務するかは分かりませんが、仮にひと月に平均 21日仕事をするとして、一年間では約 250日です。
もし一日一本作ると仮定しても 4年で 1,000本ですから、3万本作るためには 120年かかる事になります。これはあり得ませんね。
では分業で部品だけを作っているとした場合はどうでしょうか。
仮に一日に 40個作るとすると、一年で 10,000個ですから、これなら3年で3万本になります。
しかし、です。
そんなに売れるでしょうか?

ある事件があってその人物に少々あやしいものを感じていたところだったので、質問欄に書き込みをしました。その人物はどう見ても定年まで勤めたような年齢ではないのです。
最初に質問に回答がないので少なくとも三回ほど書き込みましたが、一度も回答はありませんでした。
muramatsu が一人一本を最後まで仕上げているなら3万本というのはあり得ない数字ですからその説明は虚偽である事になります。
ところが実際に工場で目にした通り分業で作られていますから3年ほど勤めたのであってもあり得ないとは言えませんから、ここで推測したような実情であればそのように回答すれば良いはずと思います。
少なくともそう説明されればそれで納得する他ありません。
ところが回答はありません。
これは何か都合の悪い事があると考えるのが自然です。

その事件についてなどはまた改めて取り上げます。
弁償されたので公にはなっていませんが、ある事が行われました。
被害者が訴えなければ事件にはなりませんが、起きた事はなかった事にはできないのです。

nice!(5)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 5

コメント 6

tetsu

フルートメーカーで年代毎のシリアル番号がある程度知られているのは、Louis LotとHaynesくらいでしょうか。Louis Lotが一人ですべての作業をしていたかは知りません。またHaynesは当時の写真を見ると、一人ではないようにみえます。それでも年間の本数はかなり少ないですね。

http://www.musictrader.com/lot.html
http://www.dancipriano.com/iserialhaynesflute.html

Haynesの写真は
http://memory.loc.gov/cgi-bin/query/S?ammem/dcm:@field(TITLE+@od1(William+S++Haynes+Shop,+Boston))
by tetsu (2011-10-06 21:34) 

センニン

tetsu さん、こんばんは。
さすがお詳しいですね。
Haynes は確かに複数の人が写っていますが、作り方までは分かりませんね。
本当のハンドメイドの時代ですね。
by センニン (2011-10-06 21:57) 

笛吹き

コタトのバスフルート、福岡市のクレモナ楽器に在庫があります。
詳細は、クレモナ楽器のホームページにて御確認ください。
by 笛吹き (2013-12-02 13:31) 

センニン

笛吹き さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
中古情報、拝見しました。
魅力的ですが、バスフルートは一本ありますし登場する機会も少ないので今のところ購入には踏み切れません。
持っていなければ大いに検討するところですが、残念です。
by センニン (2013-12-02 22:06) 

元メーカー勤務

こんにちは。
いまさらコメントするような事でもないですが
検索でひっかり偶然この記事を見つけましたので一言。

10年ほど前の国産フルート大手(M社、M社、S社)は
50人から60人の製作体制で、月産250本~350本程度だと記憶しています。そのうち3,4割は頭部管銀などのスチューデントクラスです。

また、時代背景の違いや誇張も含まれるでしょうが
ヘルムートハンミッヒは1本作るのに200時間かけたと言われます。

3万本というのは修理の本数ではないでしょうか。
by 元メーカー勤務 (2014-12-28 00:11) 

センニン

元メーカー勤務 さん、こんばんは。
有益な情報ありがとうございます。

ヘルムートはおっしゃる通り時間をかけたようですね。
国家の買い上げだったのだとか。
経済的には恵まれていたとは言えなかったらしいですね。

3万本の件、本人は「製作」とはっきり書いていますし、修理だとしても muramatsu の工場で工場長にお訊きしたところでは「そんなに(長い期間は)いなかったよねぇ」とのことでしたので誇張だろうと思います。
親しくさせていただいている工房の方も(そう書くのは)やめるように言ったのだそうですが聞く耳持たなかったそうです。
by センニン (2014-12-28 20:16) 

トラックバック 0

鍋島青磁盗んでいいのは技術だけ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。