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習ってみなければ分からないヴァイオリンのあれこれ [楽器]

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ヴァイオリンのスクロールはどうしてこんな形をしているのでしょう。
出現したときからこの形(楽器全体が)で完成されていると言われています。


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演奏するときはこんな角度でネックを見ています。
これでは指板にシールを貼ったとしても殆ど目安にしかなりません。
それより手と指の間隔、目、耳で音程を確かめながら体に憶えさせた方が、最初は苦労しても後々の伸びが違うと思います。
フレットの付いたシールは買ったものの、結局使っていません。


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チューニングについては以前も少し触れましたが、ペグで弦を巻いて行うのですが、ギターやコントラバスと違って木材同士の摩擦と弦の張力だけでペグが止まっています。
ちょっとだけ巻き上げるというような微妙な調整はできません。一旦緩めて巻き上げる、低かったらまた少し緩めてさっきより強めに巻き上げる、高かったら弱めに巻き上げるといった事を繰り返してチューニングします。
ほんの少しだけ違うというときが厄介なのです。


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左側の指板と右の駒(ブリッジ)の真ん中を常に弾きます。
ちょっとだけ音が高い時、弦を指で少し引っかけるようにして弾(はじ)きます。
すると少しだけ弦が伸びてあるいは少しペグ側から引っ張られて音程が下がります。
ステージ上で調弦のあとピチカートをやっているように見えるのは実はこれなのです。


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少しだけ低いときはペグと指板の間の部分を押します。
すると高いときの逆の作用で少し音程が上がります。


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E線(一番高い音の弦)はペグではチューニングしません。
交換したときなどはもちろんペグで巻き取って行きますが、ある程度のところまで来たらこのアジャスターと呼ばれる器具のネジを回して調整します。ペグでは変化の幅が大き過ぎて微調整はできないのです。
アジャスターは通常はE線だけに付けますが、二本だけ付ける場合や全部に付ける場合もあります。


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A線を弾いているときの弓の角度です。


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こちらはD線です。
結構違うものですね。

弾く弦を変える(移る)事を「移弦」と言います。
これがスムーズにできるようになる事もレッスンの項目の一つです。

両側のE線やG線を弾くときはもっと弓の角度が縦に近くなります。
あの胴のくびれのような部分はそのためにあるのです。そうでないと弓が楽器に当たってしまいます。


ある弦を押さえていて、隣の弦に移る時、同じ指で押さえる音程である事があります。五度上、あるいは五度下の場合ですね。
先日のレッスンでこれを「ちょっとやってみて」と言われたのでひとつづつ、次いで二つの音を同時に弾きました。
これにはオーケーが出ましたが、お話によるとこれが正しく五度で取れない事が珍しくないのだそうです。
チューニングが正しければ弦に対して指が直角に当たる必要があります。
五度が正しくないというのは自分では直角に当てている場合でも角度がずれてしまっているという事ですね。
五度のハーモニーは完全な協和音ですから、合っているかどうかはすぐ分かります。


学ぶべき事が多過ぎてなかなか進歩がありません。
弓のアップとダウンの音色をそろえて、そもそももっとしっかりした音で。
弓を返す時、慌てず今弾いている音をしっかり弾き切る事。
弓を全弓に切り替える時の腕の運びを優雅に、等々。
肩の力を抜く。
上腕でしっかり支えること。
右手の指の形が崩れないように。

フルートとは音の作り方からして勝手が違います。
しかしこうした全然違う楽器を習う事はフルートしか知らないよりも良い事だろうと思います。
音大などでもピアノはもちろんとして副科で別の楽器を経験しなければならないとしたら同じような楽器より全然違う種類の楽器を習った方が良いのでしょうね。

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すとん

>フルートとは音の作り方からして勝手が違います。

 そうなんですよ、かなり違いますね。例えば音程一つとっても、細かく見ると、フルートは平均律モドキですが、ヴァイオリンは素直に演奏しちゃうと、平均律ではなく、純正律になっちゃいます。リズムにしても、管楽器であるフルートよりも、ずっと細かなリズムが表現できると言うか、細かなリズムにこだわらないといけませんし、色々とシビアな楽器だと思います。

 だからこそ、センニンさんがおっしゃるように、同時並行で学ぶ価値があるのだと思います。難しいけれど、楽しいですし、きっとその経験は、両方の楽器演奏にも生かされると思います。


by すとん (2011-01-25 10:10) 

センニン

すとん さん、こんばんは。
今「篠崎」をお使いなのですね。
私は最初からですが、なかなか良いです。

ピアノ五重奏などのように弦楽アンサンブルにピアノが加わるのが実は厄介らしいですね。
ピアノは平均律そのものですからね。

心地良い響きを求めて行くと純正率に至ります。
ヴァイオリン族になぜフレットが備えられなかったのか、その一つの答えがここにあるのでしょう。

ヴァイオリンを習っているとまず音程にシビアになりますね。
フルートでもそうである筈ではありますが、所定の運指を憶えれば一応演奏できてしまう管楽器(特に木管楽器)は弦楽器ほど音程を意識しなくても何とかなります。アンサンブルをやるのでなければそれほど不都合はないですね。

ソルフェージュやピアノは当然としても、音大ではなぜ他の楽器も学ばせるのか、やっと分かったように思います。

以前ご紹介しましたN響の鶴我さんがヴァイオリンを弾いていて良かった事としてヴァイオリン音楽をより深く味わえるようになった事とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと思います。
私たちは少なくともフルートとヴァイオリンはどちらもやった事がない人よりそれぞれの音楽の受け止め方が格段に深い筈です。
すとん さんはそれに加えて声楽も、ですね。
by センニン (2011-01-25 20:45) 

Cecilia

お、すとんさんのコメントにある純正律は今私の中でホットな話題です。(お付き合いいただいてる複数のブログで純正律・ミーントーンの話題で盛り上がっていますので。)
チューニング方法、勉強になりました。初めて聞く方法です。
アジャスターですが、私のつけかたが自己流なのでまずいのかもしれませんが、これ以上まわせない(苦笑)ため、結局ペグで弦を調節しています。
by Cecilia (2011-01-26 11:28) 

センニン

Cecilia さん、こんばんは。
古くて新しい話題ですね。
J.S. Bach の「平均律〜」の CD を以前ご紹介しました。
http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20
平均律に調律した楽器による演奏が濁って聴こえます。

チューニング方法、教わるまで知りませんでしたが、今はすっかり馴れました。演奏会でも舞台上で確かにやっていますね。

アジャスター、そうですか。
一度調整してもらったらいかがでしょう?
by センニン (2011-01-26 20:46) 

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