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装飾するという事 [楽譜]

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先日映画『ある愛の詩』を取り上げてしばらくぶりにフランシス・レイを聴いて懐かしくなったので CD を買ってみました。


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こちらは映画のサウンドトラックを主としたアルバムです。
「ある愛の詩」などは別の録音のようです。


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こちらはなんと新録です。


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オリジナルのアレンジを基にした新たなアレンジで、洗練された味わいがあります。
しゃれた感じだけでなく経過した年月を思わせるような味わいがあります。
「ある愛の詩」はヴァイオリンで始まります。
「白い恋人たち」はレイ自身がアコーディオンを弾いています。


さて「白い恋人たち」はご存知の通りオリンピックの記録映画のテーマ曲です。
監督はクロード・ルルーシュですね。
市川崑監督の『東京オリンピック』もオリンピックの記録映画ですが、音楽は印象に残っていませんね。
この曲、楽譜も曲集に入っている事が多いですが、サウンドトラックで聴かれる演奏に比べると譜面づらが素っ気ないです。


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著作権の問題があるので見づらい画像でしか掲載できませんのでご了承ください。
大抵の曲集に載っているのはこんな感じです。


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ところが演奏を聴くと例えばこんな装飾音符を付けたようにやっている事が分かります。


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実際の演奏はこんな感じです。

こうしてみてくると、連想するのはバロック音楽を始めとする古楽などです。
バッハの曲などは装飾音符をどう演奏するかが大問題ですが、もっと問題なのは装飾音符が何も書かれていない楽譜です。
知識としては装飾を付けて演奏されたのだとは知っていてもどうやったら良いのか途方に暮れてしまいます。


バロック音楽とは全然違うこの「白い恋人たち」の楽譜を見て演奏を聴くと、書かれた通りに演奏するだけだとなんだか物足りないと感じます。
その装飾もいつも同じなのではなく何回か繰り返される同じメロディーが少しづつ異なって装飾されている事がお分かりいただけるでしょうか?
昔の音楽家たちもそうやっていたのかもしれないと思えてきます。


もう一つ分かるのは、アコーディオンではここで書いたように装飾を付けられるメロディーが、声やストリングスで演奏されるときは装飾が付けられないという事です。
これも大事です。

同じ楽譜をピアノで演奏するときとチェンバロで演奏するときとでは違って然るべきだという事ですね。

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コメント 4

Halumi

こんばんは。
あのアコーディオンは装飾だったのですね。知りませんでした!
以前少しだけチェンバロを習った時、音に対する美意識がピアノと凄く違う事に驚きました。
by Halumi (2011-01-12 22:28) 

オカジュン765

こんばんわ。フランス音楽ってなんかウットリとしてしまいますね。
最近はクレモンティーヌのアニソンボサノバばかり聴いていますが、昔の映画音楽も素敵な曲が多くて私も好きです。
by オカジュン765 (2011-01-13 19:29) 

センニン

Halumi さん、こんばんは。
これは私の推測ですので断定する事はできません。
しかし新録ではやはりレイ自身がアコーディオンを弾いていますが、装飾の仕方がサウンドトラックとは違うのです。

多分サウンドトラックの録音当時もテイクによって少しづつ違ったのだろうと思います。

チェンバロとピアノに関しては多くを語るだけの知識はないのですが、ピアノは暗譜でも良いのに対しチェンボロは必ず楽譜を譜面台に置くという違いがある事は以前読んだ本で知りました。
by センニン (2011-01-13 20:37) 

センニン

オカジュン765 さん、こんばんは。
映画音楽は今は歌ものが多くなってしまいましたが、この頃のインストルメンタルは本当に良い曲がありました。
スタンダードナンバーとなったものも多いですし、ジャズで良く取り上げられるものもあります。
「ベン・ハー」のような重厚な曲も良かったなあとしみじみ思いますね。
by センニン (2011-01-13 20:41) 

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