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「セプトニスちば」新春コンサート:協奏曲の魅力 [演奏会]

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「セプトニスちば」はNPO法人の名称で、演奏団体である弦楽合奏団、室内管弦楽団の名称でもあります。
http://www.npo-hiroba.or.jp/search/?c=more&pk=18211
http://septnis.blog.ocn.ne.jp/about.html
オーケストラとしては小林研一郎氏を指揮者に迎えて今までに4回の演奏会を行っているそうです。
今回は弦楽合奏団としての活動の一環でしたが、この形態での活動は今回が最後なのだそうです。
予算の問題かもしれませんが、渡されたプログラムは紙質も良くページも多くお金がかかっていると思われます。イメージも大事ですがこうした点など見直す余地はあるかもしれません。


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会場は昨年辻井さんのリサイタルを聴いた旧ぱるるホールです。
曲目は次の通りです。
 1. J.S.バッハ:ブランデンブルグ協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050
   独奏:榎本 潤さん(Cemb.)、伊藤 亮太郎さん(Vn.)、鈴木 佐英子さん(Fl.)

 2. A.ヴィヴァルディ:3つのヴァイオリンのための協奏曲 ヘ長調 RV551
   独奏:瀬﨑 明日香さん(Vn.)、鳩山 曜子さん(Vn.)、加藤 えりなさん(Vn.)

 3.G.P.テレマン:ヴィオラ協奏曲 ト長調
   独奏:植村 理一さん(Va.)

 4. J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042
   独奏:伊藤 亮太郎さん(Vn.)

 5. E.B.ブリトゥン:シンプル・シンフォニー 作品4

独奏者のプロフィールなどを少々ご紹介します。
 伊藤 亮太郎さん:桐朋学園ソリスト・ディプロマコース終了
         第58回日本音楽コンクール第一位
         CD 2枚。
         '99年よりサイトウ・キネン・オーケストラに参加
         現在札幌交響楽団コンサートマスター

 瀬﨑 明日香さん:東京藝術大学首席卒業
         第64回日本音楽コンクール第一位
         トリエステ国際室内楽コンクール最高位
         ストラディヴァリウスコンクール優勝
         CD2枚(イザイ無伴奏ソナタ全曲。レコード芸術特選、サン=サーンス作品集)

 植村 理一さん:東京藝術大学
        '91年オハイオ音楽家連盟コンクール優勝
        現在東京藝術大学管弦楽研究部講師

 鈴木 佐英子さん:国立音楽大学
         ベルリン芸術大学大学院首席卒業
         ドイツ国家演奏家資格取得
         ムラマツ・フルートレッスンセンター新宿・横浜講師

 榎本 潤さん:国立音楽大学ピアノ専攻科を経て同大学院修了
       現在国立音楽大学講師

良い演奏会でした。
ホールの響きは前回の辻井さんのときとは座席が違うせいかダイナミックに響かせるよりはアンサンブルの響きを良く溶け合わせるという印象でした。
それは良い点でもあり場合によってはソロが浮かび上がってこないなど物足りなさを感じさせる点でもあります。これは今回の演奏家の方の持つ響きにもよったのかもしれません。


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1曲目はうまい演奏でしたが、ややテンポが速めのためかややあっさりとした印象でした。
伊藤さんのソロは音色が柔らかめで、もう少し目立って欲しいという印象を持ちました。
所々アクセントを強調するような弾き方が印象に残りました。

鈴木さんのフルートはシルバーですが多分 muramatsu だろうと思われるような音色でした。
この会場ではやはり少し柔らかめで、それでありながら少々厚みが少なめかなと思われる音色です。
演奏では付点八分音符と十六分音符のリズムを音価通りきっちり取っている印象でしたが、伊藤さんや榎本さんその他のアンサンブルとは一人違っていると聴こえてしまいました。

アンサンブル全体ではソロの部分でもう少しバランスを工夫して欲しいと思えました。


2曲目では3人の独奏者の音色がまるで違うのが印象的でした。
瀬﨑さんが最も明るくからっとした響きで、アンサンブルもヴィヴァルディらしさが良く表れた演奏でした。
楽器にトラブルがあったのか、曲間で加藤 さんが力一杯糸巻きを巻いていましたが演奏は問題ありませんでした。

バッハ、ヴィヴァルディと続いたあとでテレマンの協奏曲を聴くのもなかなか興味深い体験でした。
普段なかなかソロを聴く機会のないヴィオラ、それも協奏曲とあっては貴重な経験です。

再び聴くバッハの協奏曲は耳に馴染んでいます。
3楽章は昔の映画「ある愛の詩」にも使われていました。
モーツァルトのフルート・ソナタも使われていましたね。

最後の曲は時間切れで聴けませんでした。
メインディッシュだったのでしょうが、アンサンブルの合わせの時間が迫っていたので残念ですが始まる前に席を立ちました。

室内楽の演奏会はこれが最後だというのがとても残念です。
もっと聴いておけば良かったとつくづく思いました。

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コメント 8

kaika-t

初めまして。^^
素敵なコンサートみたいですね♪ ブログだと音が聴けないのが残念ですが。^^; あちこちのブログを拝見しているのですが、音楽関係は少ない印象でした。
演奏の練習とか頑張って下さいね。
by kaika-t (2010-01-31 21:04) 

ながぐつ

こんばんは。
バロック中心の楽団なのですね。
フルートの鈴木佐英子さん、国立音楽大学→ベルリン芸術大学大学院卒業というのは、ながぐつがタイラコアンサンブルで一緒にやっているクラリネット吹きと全く一緒の経歴で、びっくりしました。
by ながぐつ (2010-01-31 22:29) 

ユーフォ

メインディッシュ・・・残念です。
by ユーフォ (2010-02-01 02:17) 

タッジーマッジー

チェンバロ、聴いてみたいです。
by タッジーマッジー (2010-02-01 12:33) 

センニン

kaika-t さん、初めまして。
nice! & コメントありがとうございます。

充実したアンサンブルでした。
室内楽以外の演奏会もできる限り聴こうかと考えています。

音楽は少ないですか、やっぱり。
本当はテーマを「音楽」にしようかと思ったのですが、プロの音楽家ではないし、音楽以外の事も取り上げるのでこのテーマにしています。

来週は本番なのでまたそれらの様子をアップします。
お気に召しましたらまた覗いてみてください。
by センニン (2010-02-01 20:03) 

センニン

ながぐつ さん、こんばんは。
今までどんな曲を取り上げて来たのかは分からないのですが、バロックが得意なのかもしれません。
クラリネットの方、プロなのでしょうか?
学費の面でフランスよりはドイツの方が行きやすいらしいです。
by センニン (2010-02-01 20:08) 

センニン

ユーフォ さん、こんばんは。
残念だったので今度 CD を探して聴いてみます。
by センニン (2010-02-01 20:08) 

センニン

タッジーマッジー さん、こんばんは。
ピアノはどこでもありますがチェンバロを置いてあるところは殆どありませんね。この規模のアンサンブルになるとピアノと違ってチェンバロは音量が小さいので後ろの席だと埋もれてしまいます。
CD はけっこうありますのでご存知の曲が入ったものが見つかったら購入してみてはいかがでしょうか。
by センニン (2010-02-01 20:12) 

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