ホルスト:『吹奏楽のための組曲』 [好きな歌]
ホルストといえば Jupiter がすっかり有名になりました。
ホルストの娘さんのイモージェン・ホルストは著作権が切れるまでは原曲のアレンジ等を一切認めなかったようです。
ここで取り上げるのは吹奏楽の分野ではおなじみの組曲第一番と第二番。
最初は第二番を知りましたが、今では第一番の方が好きです。
代表する盤は手前のフレデリック・フェネル指揮クリーヴランド管弦楽団管楽セクションによるものでしょう。
レーベルも高音質で知られる TELARC ですので、言う事なしです。
クリーブランド管弦楽団といえばジョージ・セルに鍛えられていますからね。
ピエール・ブーレーズ(当時はたしかブレーズと表記されていました)の『春の祭典』の衝撃的な録音は今でも色褪せていませんね。あのジェケットも印象的です。
フェネルは古巣イーストマン・ウィンド・アンサンブルとも録音しています。
この曲は事実上フェネルが発見したようなものだとか。
他に写っているのはティモシー・レイニシュ指揮 ロイヤル・ノーザンカレッジ・おヴ・ミュージック・ウィンド・オーケストラのものと佐渡裕指揮 シエナ・ウィンド・オーケストラによるもの。
佐渡さんのものも上手いのですが、フェネルの演奏を超えたとまでは言えませんね。
1978年録音のこの録音、この曲の録音の代表であるのみならず TELARC を代表する録音とも言えるかもしれません。今では SACD まで発売されています。
その昔、BOSE のスピーカーを使っていたころは、ホコリよけにかぶせてあったビニールが、第一番のシャコンヌの最後の方でグラン・カッサが鳴るところで、後ろに垂れている部分がユラユラと揺れたものでした。
TELARC を有名にしたアナログ盤の、トレース不能と言われたチャイコフスキーの「1812年」は大砲の音はすごいものの、肝心の演奏が×で、CD で発売された再発も期待外れでしたので、こちらを代表盤と公言することにします。
ホルストが吹奏楽の分野でこの曲を書いてくれたことに感謝したい気持です。
吹奏楽の分野にあまたある凡百の "名曲" とは一線を画していますね。
一流の才能が書けば吹奏楽曲も愛好家以外の人の鑑賞にも堪える作品になるのだという実例ですね。
なお。組曲『惑星』はホルスト自身が指揮した録音が残っています。
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