川端康成の作品に大賀ハスが [本]
今日の帰りにコンビニに立ち寄りましたら、なんだか暗いと感じました。
天井の照明は点いているのに変だなと思いましたら冷蔵ケースの照明が消されているのでした。
これでもちゃんと見えますし、他のコンビニはどうかわかりませんがこのコンビニだけでもこのようにすればある程度の節電にはなるでしょう。
今までにないことですね。
先日の夕方目眩で病院に行ったことは書きましたが、今日も冷房の効いたショッピングセンターにいましたら少し変になりかけました。
屋根のある駐車場の車に戻ると車内の空気は暑いですが、窓を開ければ耐えられないほどではありません。
そこでしばらく休んでいますと、回復したようでした。
昼までは練習で冷房も使いましたが、温度調節ができるのであまり低くはしませんでした。
思い出すと月曜はファーストフード店にいたのですがエアコンの風が来る場所でした。
昨日耳鼻科の診察も受けたのですが、聴力検査などを受けて内服薬を二種類処方され、四週間後にまた行くことになりました。
大幅な温度差と冷房がいけないのかもしれないと思い始めました。
明日から注意してみます。
来月は発表会があって明日和ピアノとの合わせなのですが、ちょっと心配です。
さてずいぶんしばらくぶりに川端康成を読んでみようと思いました。
最高峰だそうなので。
でも中をパラパラと読んで解説にも目を通すと、好みの内容ではなさそうです。
まあ読みますけど。
Amazon のレビューを参考にしていましたら、『少年』という作品が新潮文庫で出ているようなのですが、これはなかなか出版できなかった作品で、今でいう BL なのだそうです。
実は『伊豆の踊り子』も好きな相手とryこうしていて生み出された作品だというのでちょっと驚いてしまいました。
吉永さんが『伊豆の踊り子』('63)を撮っているときに川端さんがべったりだったという話をどこかで読んだような気がするのですが...。
で、すぐ読まなくてもいいかなと思ったのですが、解説を読んでいたら作品中に大賀ハスが発見されたニュースが二度登場するとありました。
P242
信吾は保子が見ていたらしい四五日分の新聞を拾い上げて、読むともなしに見ていると、
「花開く二千年前の蓮」という珍しい記事があった。
昨年の春、千葉市検見川の弥生式古代遺跡の丸木舟のなかから、三粒の蓮の実が発見された。おおよそ二千年前の実と推定される。なにがしという蓮博士が、これを発芽させて、今年の四月、その苗を、千葉農事試験場と千葉公園の池と千葉市畑町の造り酒屋の家と、三ケ所に植えた。造り酒屋は遺跡の発掘に協力した人らしい。釜に水を張って植え、庭先においた。その造り酒屋の蓮が、第一番に花を開いた。蓮の博士はしらせで駆けつけて来て、「咲いた、咲いた。」と美しい花をなでた。花は「徳利型」から「湯呑型」、「お鉢型」となり、「お盆型」に開き切って散ると、新聞は書いていた。花びらは二十四枚とも書いていた。
眼鏡をかけた、白毛まじりらしい博士が、開きかけた蓮の花茎に手を持ちそえている写真も、記事の下に出ていた。読み直すと、博士の年は六十九だった。
信吾はしばらく蓮華の写真を見つめていてから、その新聞を持って、菊子の居間へ行った。
P342
菊子は立って行って、慎吾に茶を入れると、
「お父さま、二千年前の蓮の記事が、二つも出ていますわ。お読みになりましたの?別にしておきました。」と言いながら、二日分の新聞をちゃぶ台にのせた。
「ああ、読んだようだね。」
しかし、信吾はもう一度手にとってみた。
弥生式の古代遺跡から、おおよそ二千年前の蓮の実が発見された。蓮の博士が芽を出させた。花が咲いたと、前に新聞に出ていた。信吾はその新聞を菊子の部屋へ持って行って見せた。菊子は病院で流産をして来たばかりで、寝ている時だった。
その後二度、蓮の記事が出たわけだ。その一つは、蓮博士がその蓮の根を分けて母校の東京大学の「三四郎」の池に植えたという。もう一つの記事はアメリカの話で、東北大学のなにがし博士が、満州の泥炭層から、化石のようになった、蓮の実を発見して、アメリカに送った。ワシントンの国立公園では、その実の硬変した外側をはがすと、しめした脱脂綿に包んで、ガラスのなかに入れておいた。去年、愛らしい芽をふいた。
今年は池に移し替えられて、つぼみを二つつけ、薄紅の花を開いた。公園課は千年乃至五万年前の種だと公表した。
「前に読んだ時も、そう思ったが、千年ないし五万年とほんとうに言ったのなら、ずいぶん大幅な計算だね。」と信吾は笑いながら、なおよく読むと、日本の博士は種の発見された、満州の地層の工合から、数万年前のものと想像していたそうだが、アメリカでは、種の外側の削り落としたのを、炭素十四の放射能で調べて、およそ千年前のものと推測されたのだという。
ワシントンから、新聞の特派員の通信である。
花が咲いた(1952年、昭和27年)のは一株で、その種を掘り当てたのは発掘を手伝っていた地元の中学校(東大検見川グラウンドの近く)の女生徒だったそうですが、作中で触れられている造り酒屋さんではないようです。
またこちらの種が発掘された地層は2000年前と鑑定されたたと Wikipedia にあります。
米国ライフ週刊版1952年11月3日号に「世界最古の花・生命の復活」として掲載され「大賀ハス」と命名された。また大賀は、このことに誹謗中傷する人もいたことから年代を明確にするため、ハスの実の上方層で発掘された丸木舟のカヤの木の破片をシカゴ大学原子核研究所へ送り年代測定を依頼した。
シカゴ大学のウィラード・リビーらによって放射性炭素年代測定が行われ、ハスの実は今から2000年前の弥生時代以前のものであると推定された。
(Wikipedia)
『山の音』は千葉市美術館の 1F に他の書籍と一緒に並べられていましたが、なぜだろうと思っていました。
大賀ハスに関係があるからなのかもしれませんね。
2022-06-30 19:52
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