SSブログ

『ウエスト・サイド物語』になった日 [映画]

wIMG_1429.jpg


いつの間にか公開日が先送りされていますが、これは日本だけで世界では今日公開されたようです。

上映はイオンシネマのようです。



wIMG_1432.jpg


先日ちょっと触れましたがミュージカルの誕生までの経緯はこの本に述べられています。



wIMG_1433.jpg


wIMG_1434.jpg


知りたい内容は P98 にあります。



w2021 12 09_0001.jpg


その過程を日誌にして出版したそうですが、それを含む文章の数々を集めたのがこの本だというので取り寄せてみましたが、その "日誌" は抜粋でした。



w2021 12 09_0002.jpg


w2021 12 09_0003.jpg


w2021 12 09_0005.jpg


w2021 12 09_0006.jpg


写っていませんが、"日誌" の抜粋はこの次にあります。



w2021 12 09_0007.jpg


w2021 12 09_0008.jpg


w2021 12 09_0009.jpg


"Making of 〜" では

The two men reminisced and lamented the fact that their earlier idea of a modern-day Romeo and Juliet story had not worked out.


They recall in Sondheim & co. that while talking, they noticed a Los Angeles Times headline about gang fights between Mexicans and so-called Americans: “Gang Ritos on Oliveira Street.”


“Arthur and I looked at one another and all I can say is that there are moments which are right for certain things and that moment seemed to have come.”


Bernstein suggested: “What about doing it about the Chicanos?” In New York there were Puerto Rican gangs, and at the time papers were filled with stories about juvenile delinquents and their violent crimes.


“Suddenly it all springs to life,” Bernstein recorded in his diary for that day.

I hear rhythms and pulses, and — most of all — I can sort of feel the form.”

(P34)

と引用しています。


「生涯」では

話しているうちに、バーンスタインは新聞の見出しに目をとめた。

「オリヴィエラ・ストリートで暴動」メキシコ人とアングロ系白人の抗争を報じた記事だった。

ようやくモンタギュー家とキャプレット家の反目に匹敵し、かつ現実感をともなった敵対関係の現代版が見つかったのだ。

バーンスタインとローレンツは相談を重ね、舞台はロスアンジェルスからニューヨークへ移され、メキシコ人ではなく、プエルトリコの移民が採用された。

想像力に火が点いた、とバーンスタインは語っている

ラテンアメリカ音楽のリズムが頭の中で鳴りはじめたのだ

(P443)

と訳しています。


「〜音楽的人生」では

あらためて《ロメオ》のアイデアに奮い立つ。

ただし、今ではユダヤ対カトリックという前提は新鮮味に乏しいということでボツ、代わりに本命と思われる案を思いつく。

二つの10代のギャング・グループ、一方はけんか好きのプエルトリコ人、他方は自称「アメリカ人」。

突如すべてが活気を帯びてくる。

私にはリズムとビートが聞こえ──とりわけ──何となく形が感じ取れるのだ

(P145)

としています。

文章の構成に違いがありますが、概ね同じ場面です。


新聞が "The Ros Angeles Times"  であったわけで、それが報じられたその日そこで話し合っていたのは神様の思し召しであたかもしれません。



当初の着想から上演までの経過は "日誌" で追うことができます。


1949年1月6日

 ジェローム・ロビンズがバーンスタインに電話してアイデアを伝える。


1949年1月10日

 ロビンズ宅でアーサー・ローレンツに会い、どういうスタイルにするか話し合う。


1949年4月15日

 草稿を受け取る。

(この頃ローレンツもバーンスタインも非常に多忙で、このアイデアを進めることができない)


──6年余りが経過──


1955年6月7日

 ロビンズと計画について改めて考えを確認する。


1955年8月25日

 ローレンツとの話し合いの場で新聞に目を止める。

 "イーストサイド物語" だったものが "ウエストサイド物語" に変わる。


1955年9月6日

 ロビンズもその案を気に入る。


1955年11月14日

 スティーヴン・ソンドハイムに会い、作詞を任せることにする。


1956年3月17日

 『キャンディード』の上演決定。

 計画は一年延期。


1957年2月1日

 『キャンディード』の公演終了。

 計画に本腰で取り組む。


1957年7月8日

 リハーサルを見、舞台のスケッチ、衣装のスケッチを確認する。

 できに感激する。


1957年8月19日

 舞台初演。


1957年8月20日

 「昨夜のオープニングは夢に見ていた通りだった。

 多くの苦しみ、度重なる延期、無数の書き直しが、すべて報われた。

 そこには一つの作品がある。

(中略)

 この舞台をこれまで観たことも聴いたこともなかったかのように、泣いたり笑ったりした。

(中略)

 ハッピー・エンドにしてほしかったという声は一切聞かれなかった。

 ブロードウェイでは異例なこと。このショーの一員になれたことを誇りに思っている。」


と記しています。



計画が中断しなければこれほどの作品にはならなかったでしょうし、あの日方向が転換しなければこれだけの成功はなかったでしょう。

振り付け、脚本、詞、曲それぞれの傑出した才能が結集した奇跡のような出来事です。



名作のリメイク。

来年の2月が待ち遠しいです。


明日は母の通院の日なので朝の更新はお休みします。


nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 5

コメント 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。