直木賞候補だったのか [本]
昨日芥川賞と直木賞の受賞作の発表がありましたが、芥川賞候補の五人中三人が女性で、直木賞に至っては全員女性ということも話題になっていました。
原田さんの『美しき愚か者たちのタブロー』も候補に挙がっていたのですね。
現在開催中の松方コレクション展に行かれる方にはちょうど良い本でしょう。
先日『原田マハの印象派物語』を取り上げたあと、同じ作者の文庫本『本日は、お日柄もよく』を貸してくださる人があったので1日で読みました。
以前買ってみようかと検討したことがありましたが購入しなかったので、良い機会でした。
スピーチライターという馴染みのない職業を取り上げていてとても興味深く、またヒロインが支持するその道の達人のスピーチも素晴らしかったので読み進めることができたのですが、途中から選挙に舞台が移ると、なかなかうまく話を進めてはいるもののだいぶ現実離れしてきたなという印象で、ちょっと気持ちが離れてしまいました。
なんだか清水義範さんの『国語入試問題必勝法』みたいで、なるほどなるほどと読ませはするものの現実的にはどうなのだろうという感じです。
思わず涙ぐんでしまうところもあるのですが、一押しというわけにはいきませんね。
以下の写真は iPhoneX での撮影なので画質はいまいちです。
次いで書店で選んだのがこの二冊です。
『ジヴェルニーの食卓』は出世作で、『フーテンのマハ』はその作品ができる背景などが綴られているので手始めには良いかなと思います。
語り口はうまいですね。
まるで本当にそういうことがあったかのように興味深く読むことができます。
作品に描かれた人々や当時の境遇、交友関係などは綿密な取材に基づいて描かれていると思うのですが、著者の手でそれらの人物に命が吹き込まれているかのようです。
『~印象派物語』も手元にあると描かれた作品を見ることもできてより理解が深まります。
ドガの少女像なんてその本で初めて見ましたし。
こちらはまだ読んでいません。
『本日は~』の解説で知ったのですが、原田さんは同じく作家の原田宗典さんの妹なのですね。
彼の本はだいぶ以前何冊か読みました。
ユーモアの感覚がとても好きです。
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