『野菊の墓』復刻版と『初恋』 [本]
以前取り上げました『野菊の墓』の復刻版が Amazon にありましたので取り寄せてみました。
こんなところまで再現されています。
昔の本はこうでしたね。
文庫で気になっていた箇所をチェックしてみます。
「祖父」に振られたルビは「ぢゝい」でした。
「某」はやっぱり「それがし」でした。
ところでネットで『野菊の墓』が盗作だと言っているサイトが見つかりました。
ここで言及している 嵯峨の屋お室 を Wikipedia で見ると坪内逍遥の門下で二葉亭四迷の同級生とあります。
東京外国語学校(現東京外国語大学)露西亜語科で学んだそうで、自身の『初恋』はツルゲーネフの『初恋』の影響を受けていると言っているそうです。
Amazon でオンデマンドのものが見つかりましたので取り寄せてみました。
ざっと読んでみますと、舞台は江戸時代。
民子を思わせる女性は年上の従姉妹。
政夫を思わせる主人公は我が家に叔父と一緒に来たその女性と親しく交流し、恋心を抱きます。
蕨採りに行って皆とはぐれてしまって遅れて帰ってくるという設定も似ています。
女性はここにいる間に縁談がまとまり嫁いでいきますが、嫁ぎ先で亡くなります。
大筋は似ています。
しかし強い印象を残す
「道理で民さんは野菊のような人だ」
「僕大好きさ。」
のようなやり取りはありませんし、政夫の母にきつく言われて諦めて嫁ぐという流れでもありません。
性格も無邪気な印象の民子とは違うように思えます。
『初恋』が明治22年、『野菊の墓』は明治39年。
左千夫が『初恋』を読んだ可能性はありますが、両作品の印象は異なります。
どちらが好きかと言われれば『野菊の墓』ですね。
嵯峨の屋お室 には『野末の菊』という作品もあるそうですが、これは Amazon にもありませんので、古本を探してみようと思います。
現代日本文学全集 ; 第10篇 (改造社)に収録されているようです。
明日は近所で法事がありますので朝の更新はお休みします。
撮影はできるかもしれません。
結論としては、問題の二箇所に関して、
岩波文庫は正しく、旺文社文庫もまた
過ちを犯してはいなかった、という
ことになりますか(^^) 問題はNHKの
朗読で何をテキストにしたのかしら(..)
by middrinn (2018-02-16 21:16)
middrinn さん、こんばんは。
そういうことになりますね。
二箇所はたまたま印象に残った部分なのですが、他にもあるかもしれません。
朗読原稿はルビのないものだったのでしょうね。
ただ、耳で聞く場合「祖父」は「そふ」と読んだ方がわかりやすいとは思います。
朗読の CD、実はそのあと二種類入手しました。
性分です (^^)/
そのうち記事にするかもしれません。
by センニン (2018-02-16 21:33)
おはようございます。ルビを拝見しますと色々と時代を感じますね。^^;
by ソニックマイヅル (2018-02-17 07:19)
コメントをありがとうございました。
なるほど!
右にスクロールすると、真ん中に、真っ白なページを挟んで、右3ページ目に、パスワードを入力するボックスがありました。
これは、隠しページと言われても仕方がないレベルの仕様ですよ。
ふつうの人は、自分も含めて、たどり着かないのではないかと思います。
不親切な仕様と思いました。
by とし@黒猫 (2018-02-17 12:27)
ソニックマイヅル さん、こんばんは。
全部ルビが振ってあります。
このころはまだ漢字が読めない人もいたのかもしれませんね。
by センニン (2018-02-17 20:11)
とし@黒猫 さん、こんばんは。
最初は私も困惑してお手上げでした。
試しに何かをやってみるとうまくいくということがありますね。
by センニン (2018-02-17 20:13)