写実絵画 [アート]
昨日購入した本を読んでいるのですが、作家さんの言葉や考えを読む事ができて大変興味深いです。
写真を使うのが "普通" なのではなくて写真がなくてはこうした写実画は描き得ないのが実際であるようです。
元々絵画が担っていた役割を写真が負うようになると絵画は新たな方向を目指します。
普段苦労しているように写真はあるものをそのまま写してしまいますので不要なものも写ってしまう場合があります。
その点は絵画を羨ましいと思います。
写実画は写真のように対象をリアルに描きますが、それだけではない事はこの本でも述べられていますが、写真としか思えないほどの精密さやデッサンの確かさがなくては写実画たり得ない事は確かでしょう。
大学では今はデッサンを重視しないそうです。
そうした事情をかいま見ると写実画は現代の美術界では主流ではない事は確かなようです。
しかし、写実をもっともっと突き詰めて行ったら対象の取捨選択という点を別にすれば写真と同じようなものになってしまうのでしょうか?
対象物が写真のように描けているというだけでは "写実画" ではないのかもしれません。
美術館で見た作品の布地や無機物や肌の素晴らしい描写には驚く他ないのですが、そうした作品たちの中で特別目をひくのは描かれた人物の表情やその奥にある感情です。
それが描けなければ artist ではなくて artisan になってしまうのかもしれません。
会社で美術館の話をしましたところ、オープン初日に行ったという人がいたのですが、その人は「一度見ればいい」と言っていました。
鑑賞する側にも感性がなくては味わうことができないのは音楽と同じかも知れません。
素晴らしい描写のその奥にあるものを確かめに遠からずもう一度行ってみたいと思います。
ホキ美術館の構造はどうなっているのでしょう?
中の展示物・作品の見せ方に興味そそられますね。
by cooper (2014-09-17 07:36)
cooper さん、こんばんは。
内部の撮影はできませんのでお見せできないのですが、検索してみると構造を解説した画像がいくつも見つかります。
ミュージアムショップではペーパークラフトにもなるポスターが売っていました。
作品の掲示には前の記事でも触れましたが、レールもワイヤーもフックも壁の継ぎ目もないとてもすっきりした状態で鑑賞することができます。
地上階には採光のための窓がありますが、床面と接する下部に設けられています。これですと日光が作品に当たる心配がありません。
館内の照明は LED です。
ギャラリーは 9つあって、だんだん地下に降りて行くように順路が設定されています。エレベーターもあります。
一見の価値はあります。
by センニン (2014-09-17 20:46)