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歌口さまざま [楽器]

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今まで試したうちではこの香木のリップの頭部管は最も難しいものという印象です。


手元のあるうちでこの頭部管の歌口に最も近いと思えるのは相原さんの象牙リップの頭部管です。



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この写真を見ても形が違うなというくらいしか分からないと思いますが、吹きやすさはかなり違います。

せっかくならべたので歌口のサイズを測ってみました。

計測はデジタルノギスで手持ちです。



左から

 象牙リップ  :縦 11.8mm、横 10.1mm、深さ 21.35mm

 香木リップ  :縦 10.2mm、横  9.8mm、深さ 22.50mm

 ゴールドリップ:縦 11.8mm、横 10.4mm、深さ 21.17mm



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フルートではどうやって音が発生しているかというメカニズムについては以前取り上げました安藤さんの本に詳しいですが、反対側のエッジに息が当たる角度が重要で、人の唇が非常に重要な役割を担っていて唇がないと音にならないという事です。


歌口が小さいという事は歌口のエッジを基準にして下唇を当てるとアパチュア(上下の唇の間にできた穴)の位置が相対的に高くなります。

のままですと使い慣れたフルートに当てはめるとかなり高い位置から息を吹き込む事になりますので、最適な角度から外れてしまいます。


なので今回の頭部管のようなタイプは下唇の当て方を変えてアパチュアの位置を意識的に下になるようにしなければならないだろうと思います。


http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2010-11-23-2


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ピッコロでもウェーブタイプより歌口がただ開いているだけの頭部管の方が難しいですし、以前試奏した B.Hammig の木管フルートもそうでした。


このような楽器に再び触れる機会があったらアプローチを変えて試してみたいと思います。



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横から見た様子を比べてみます。

象牙リップの稜線はほぼ水平です。



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香木リップは中央部が極端に盛り上がっています。

これは測定でも確認できます。



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これも水平です。

頭部管によっては息を中央に集めるためにガイドのようなものが付けられている場合がありますが、香木リップの頭部管は歌口の周囲の息はそのまま逃げてしまっているはずです。

これが難しい事の理由の一つでしょうね。



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FMC フルートマスターズの記念モデルですが、何度見ても彫刻がきれいですね。



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つい撮ってしまいました。


香木リップの使いこなしをこれからもう少し研究してみたいと思います。




 

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