クラシックの中でも最もよく知られている曲のひとつ、Tchaikovsky のピアノ協奏曲第一番です。

以前から誤りではないかと考えられてきたのが第二楽章の最初の提示です。

 

 

 

これがピアノの出だしですが、これ以降他の楽器に出現する音形は皆同じです。

 

 

 

ところがフルートで最初に提示される音形はこうなっています。

この最初の小節の最後の八分音符が書き間違いで、 F ではなくピアノなどと同じ B♭ではないかというので、実際にそのように直して演奏されることがありました。

 

作曲されたのが1874年から1875年、初演が1875年10月です。

 

この作品はその後二回の改訂を経ています。

Wikipedia によれば 1879年の夏および1888年の12月 とのことですが、そのときに間違ったのではないかとも考える向きもあります。

 

 

 

しかし今回入手したこのフルスコアはオリジナルのスコアという大変珍しいものです。

このスコアでは問題のフルートの箇所は現在私たちが馴染んでいる版と同じです。

 

チャイコフスキーがなぜこう書いたのかは謎ですが、書き間違いでないということはほぼ確かと考えなければならないでしょう。

 

 

最初の版と現在の版がどう違うのかを比較するのは興味深いですが、すぐ分かるのは冒頭のピアノです。

 

 

 

ピアノを弾かれる方はアルペジオであることと3拍目の音域が低いことに気付かれるでしょう。

 

録音はラザール・ベルマンがテミルカーノフと1986年に行っているようですが、CD は見つかりません。

録音はないようですが小山実稚恵さんが現在の版との比較演奏をされたことがあるようです。

 

この DOVER のスコアは下部に鉛筆による書き込みなどについてコメントされていて、読み込んでいくと面白そうです。

時間のあるときにゆっくり比べてみたいと思います。

 

 

 

 


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