ハープシコード協奏曲ヘ短調 の原曲と言われているのは失われたヴァイオリン協奏曲とされています。




ランパル版の編曲者ムンツリンゲルの解説にある通り、これはト短調です。

譜例は第二楽章です。


チェンバロ協奏曲は

 第1楽章 ヘ短調

 第2楽章 変イ長調

 第3楽章 ヘ短調

という構成ですが、こちらはト短調なので

 第1楽章 ト短調

 第2楽章 変ロ長調

 第3楽章 ト短調

となっています。



こちらは同じくムンツリンゲルが言及していたオーボエ協奏曲で、調性は同じです。




この楽譜には表紙にある通りこの曲のもとになったとされる カンタータ第156番「墓に 片足入れ」も収録されています。これはヘ長調ですね。


オーボエの旋律は確かに調以外はカンタータそのままで、ヴァイオリン協奏曲のヴァイオリンがハープシコード協奏曲とほぼ同じなのと対照的です。




こちらはブライトコプフの楽譜の日本語版です。




さてこうして楽譜を揃えてどうするのかと言いますと、ランパル版の第二楽章の調性を確認するためです。

ランパル版は g-moll ですから第一楽章は確かにハープシコード協奏曲と同じ調で始まります。


ところが第二楽章は変ロ長調ですから、以前の記事で書きました通り D で始まるはずが、合わせてみると H で始まっているのです。

カンタータがヘ長調(♭ひとつ)で A で始まっているわけですからこの編曲の第二楽章はト長調(♯ひとつ)であるという事になります。


すると曲の構成はト短調 - ト長調 - ト短調 という構成である事になります。

ううむ、どうしてこうしたのでしょう。


おいおい調べてみたいと思います。



 


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