編曲と言っても楽器を置き換えるだけではどうも芸がないと思ったので、いくつかの演奏を聴いてみました。

聴いてみたのはカザルス/マールボロ音楽祭管弦楽団、鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン、カラヤン/ベルリン・フィルの三種です。

それぞれ個性的ですね。
1枚選ぶなら BCJ ですね。




で、その BCJ の演奏ですが、楽譜はこのようになっているのですが演奏は一番上の画像のようにやっています。画像はヴァイオリンとピアノ用の編曲の「G線上のアリア」なので調も音域も違うのですが、低音部が短く切るようになっていますね。
大抵は楽譜通りに八分音符ですが、これは面白いです。
一日一歩確実に歩みを進めて行くような印象を持ちます。




驚いたのはカラヤン盤です。
カラヤンらしい壮麗な演奏ですが、おやと思ったのは通奏低音の扱いです。




こちらは第二番のロンドのベーレンライター版ですが、通奏低音に数字が付けられていますね。
数字付きの通奏低音です。
全曲を通してそうです。

ところが三番は全て数字は付けられていないのです。
なぜなのでしょうね。

カラヤンはこれを数字付きのようにチェンバロの拍の頭と3拍目をアルペジオでやらせているのです。

※'11.05.08 追記
 聴き直してみたところ鈴木雅明/BCJ 盤でも3番は同じようにやっていました。



どんな感じかと言いますと、次の音源をお聴きになってみてください。
冒頭に一小節挿入してありますので音が出るのに少し時間がかかります。

Air3.mp3

実は今回これでやってみる事にしました。
前回アップしたものに比べフルートの音色を直したり伴奏をピアノだけにしたり強弱記号を加えたりアーティキュレーションに手を入れたりとほぼ完成した状態になっています。
演奏はより自然になっていると思います。
もちろんまだまだ表情付けなど改善したい点はありますが、あとは演奏しながらという事にしまして、譜面はほぼこれで決定です。


余談ですが BCJ は二番のロンドで面白い事をやっています。
3小節目の3拍目から出て来る八分音符のリズムを付点付きでやっています。
付点八分と十六分音符ですね。
ふうむ。
全部を通して聴いたわけではないのですが、これはユニークで説得力がありますね。
なおこの二番はフルートが主役と言っても良いほどですが、前田リリ子さんがトラヴェルソで演奏されています。

ちなみにカラヤン盤の二番はフルートが誰であるのか記載がありません。
一番のホルン、オーボエ、ヴァイオリン、四番のヴァイオリン、フルートは記載があるのですが、二番と三番には記載がありません。
録音は皆同じ年のようですから4番(ツェラーとリュッタース)と同じではないかと思います。

※'11.05.08 追記
 カラヤン盤のリンクを貼っておきます。


Brandenburg Concertos / Orchestral Suites 2 & 3

  • アーティスト: Johann Sebastian Bach,Herbert von Karajan,Berlin Philharmonic Orchestra
  • 出版社/メーカー: Dg Imports
  • 発売日: 1997/07/15
  • メディア: CD