古い楽器をまた一本迎え入れました。


オットー・メーニッヒ。


ドイツ管ですね。


多分総銀で C足部管、Eメカ付きです。








リッププレートは盛り上がっているタイプで、当初は昔もてはやされたプラスチック製と思ったのですが、どうやら違うようです。








ネジ止めされていますが、ネジを外してみても取り外すことはできません。


片方のネジまで亀裂が入っていますが、演奏には支障はありません。








頭部管と胴部管の接合部はおなじみの構造ではなくてその部分だけ一回り太くなっている構造です。








右手小指周りのキーはドイツ管らしいデザインです。








左手親指キー周りは特に変わった構造ではありませんが、支えるためのパーツを取り付けることができるようになっています。


 















置くときにこうすることもできますが、


 













本来はこう使うためのものです。


 




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頭部管には W. Ludwig と刻印されています。


これがモデル名なのかどうかわかりませんが、メーカー名でもなさそうです。


この名前のフルートメーカーは今のところ見つけることができませんが、打楽器のメーカーのラディックはこう綴ります。


ルートヴィヒという楽器メーカーはあるようですが、フルートは作っていないようです。


これは今のところ謎です。










胴部管と足部管の接合部は古い楽器にたまにみられるタイプですが、長く作られていてトーンホールのための穴が設けられています。










経年相応の汚れが見られます。








ところどころノックピンが使われています。










ORTHOTON というのがグレードかモデル名ではないかと思われます。


 


 



 


YAMAHA と同じ年に創業された会社であるようです。


 









 



 


ドライバーを保持する機構とグリスが備えられています。


 














古いドイツ管らしい渋い音がしますが、コントロールはやや難しいです。








ハードケースは大きく、現代の H足部管付きの楽器と同じ横幅があります。








さてこのリッププレートですが、吹いた感じや触った感じからどうも象牙ではないかと思えてきました。








わかりやすいようにコントラストを調整していますが、樹脂のように均質なのではなく象牙のような模様が見て取れます。










ますますそう思えます。









これは総銀というだけだとしても非常にお安かったのですが、リッププレートが象牙だとすると頭部管だけの値段としても破格に安い買い物だったことになります。


全体にバランス調整が必要な状態ではありますが、これは非常に良い買い物でした。


 


頭部管だけ別のメーカーということも考えられなくはないのですが、あまり知られていないメーカーが象牙を使った頭部管を製作するとはかなり考えにくいことです。


何かの意味があるモデルなのかもしれません。


 


ことによると注文主の名前かもしれません。


 


年初から縁起が良いです。