日経新聞の「私の履歴書」は今小田島雄志さんがお書きになっていらっしゃいます。
今日のタイトルは「プロポーズ」。奥様にプロポーズされたときのエピソードが綴られています。

小田島さんと言えばシェイクスピアですが、中学生の頃初めて触れたシェイクスピアは写真の本で、戯曲形式でなく「シャイクスピア物語」の副題の通り小説形式に書き直されたものを翻訳したものです。




収められているのは
 「真夏の夜の夢」
 「ベニスの商人」
 「リヤ王」
 「じゃじゃ馬ならし」
 「ロミオとジュリエット」
 「ハムレット」
 「オセロ」
の七編です。

ここで気になるのは「真夏の夜の夢」のタイトルです。
何がおかしいのかとお思いになる方が多い事と思いますが、小田島さんや福田恆存さんの訳では「夏の夜の夢」となっているのです。
Wikipedia によれば松岡和子さん訳でもそうらしいですし、'49年刊行の岩波文庫(土居光知訳)でもそうなっているそうです。
ところが坪内逍遥が「真夏〜」と訳して以来それが親しまれてて来たのだそうです。
ユーミンの歌でもそうですねえ。

原題は "A Midsummer-Night's Dream" なので「真夏」と訳すのが自然に思えてしまいますが、"Midsummer" というのは「夏至」の事なのだそうです。
なるほど、昼と夜の長さが同じなので Mid なのですね。
すると 6/21 頃という事になりますから、日本では梅雨の時期ですし、真夏というイメージからは遠いです。

http://meissen.blog109.fc2.com/blog-entry-5.html
いつもお世話になっているお店にマイセンのこの名が付けられたシリーズが紹介されています。
「真夏」になっていますが...。

これからは「夏の夜〜」と呼びたいですが、困った事にメンデルスソーンのあの曲は「真夏の〜」というタイトルが定着しているのですね。

メンデルスゾーン:真夏の夜の夢

  • アーティスト: クーベリック(ラファエル),ウェーバー,メンデルスゾーン,バイエルン放送交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/09/21
  • メディア: CD


初めて買ったこの曲のレコードは 17cm のLP でした。
特段理由もなくただこれがあったからという理由で買ったのだと思いますが、この録音、評価されているようです。

まあ、本当は夏至の事で、「夏の夜」が正しいのだという事を憶えておくだけでも良いかもしれませんね。