以前十四代さんがお書きになった本を大変興味深く読みました。
襲名とは実際に戸籍上の名前を「柿右衞門」に変更するのだという事など知らない事ばかりでした。

この作品は二代前にあたる十二代さんのものです。






地肌の白の色あい、釉薬の滑らかな光沢、染付の濃淡の素晴らしさ、柿の赤。
そして何とも手に馴染みそうな柔らかな形と蓋の可愛らしいつまみ。




共箱も付いています。
柿右衞門さんは後からは箱書はしてくれないそうですので、これは当初から付属している箱ですね。

見ているとだんだん欲しくなる一品です。




ところで面白い事におなじ千葉そごうの 7F の美術品も扱うフロアに現代の陶磁器類を扱うコーナーがあります。

そこに並べられていたのが柿右衞門窯と書かれた同じようなペアの湯呑です。
こちらはガラス越しですので条件が良くありませんが、同じモティーフです。
一見同じようですが、蓋のつまみに始まってその膨らみや本体のシェイプなど細かい部分がずいぶん違って、全体としてずいぶん違う印象を与えます。
極めつけは絵付です。

これを見てずいぶん違うと感じるか、どちらでも変わらないと感じるか、それは見る人の目の肥え方によるでしょう。

お値段は 6千円ほどしか違いません。
私はこれは半値でもいりません。

本当に違うものですね。