門松も今日までですのでお正月らしい話題にしてみます。




タイトルのように訊かれたら大部分の人は「卯年」と答えるでしょう。
しかしこの答えでは不正確だと言わなければなりません。
正解は「辛卯(かのと う)」です。

「えと」を漢字で書くと「干支」ですが、実は「えと」と読むこと自体が正確とは言い兼ねるのです。
「干支」は「かんし」と読むのが正解です。
「辛(かのと)」が 干、「卯(う)」が 子 です。
十干 と 十二支 ですから「かん」と「し」なのです。

十干はご存知の方も多いと思いますが
 甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸 の10種類、
十二支は知らない人はいないでしょうが
 子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の12種類です。
これをひとつづつ組み合わせて行くと 十と十二の最小公倍数で60種類ができます。
今年は「辛卯(かのと う)」、来年は「壬辰(みずのえ たつ)というぐあいです。
61年目にはまたもとに戻る訳で、これが「還暦」です。


では「かのと」とか「みずのえ」とは何でしょうか?
これは陰陽五行説というものを基にしていて、これを十干に当てはめて
 木、火、土、金、水
の五行に各々陰陽一対(兄と弟)を配して表したものです。
 木の兄=きのえ =甲
   弟=きのと =乙
 火の兄=ひのえ =丙
   弟=ひのと =丁
 土の兄=つちのえ=戊
   弟=つちのと=己
 金の兄=かのえ =庚
   弟=かのと =辛
 水の兄=みずのえ=壬
   弟=みずのと=癸
となります。

こうした漢字を眺めていると学校で歴史の時間に習った事やものの名前などを思い出します。
 甲子園球場(1924年開園)
 甲子正宗 千葉県の酒造メーカーの商品名
 壬申の乱(672年)
 戊辰戦争(1868年)
 辛亥革命(1911年)

 丙午(ひのえ うま)・・・1846年、1906年、1966年、2026年・・・
  八百屋お七として後世有名になった女性が 1666年の丙午の年の生まれであったとされた事やもともと陰陽五行説では「丙」も「午」も「火」を表す事からこの年に生まれた女性は気性が荒くなるという俗説が生まれました。俗説ではありますが、この年は実際に出生率が下がるという統計があります。

ご自分の生まれ年の「支」、だけでなく「干支」を憶えていても良いですね。