岩波文庫が新しい作品を収録するとは珍しいなと思いながら買ってみました。

著者の名前には見覚えがありませんが、直木賞受賞で映画化というので読んでみようかと思いました。





しかしよく見ると「岩波文庫的」と書いてあります。





間違いではないようです。





現代の作品ですし、著者は1955年生まれです。





調べてみると著者が岩波文庫に入れって欲しいと希望したそうなのですが、岩波文庫は古典や評価の定まった作品を収録するものであるそうなのでこうしたユーモアの感じられる処置となったようです。





よく見ると岩波文庫のマークも月が欠けたようになっています。


内容は生まれ変わりをテーマにした物語です。

生まれ変わりといっても超常現象という扱い(そういう出版物も参考にしたようですが)ではなくて何と言いますか一途な愛の物語です。


生まれ変わりとしか思えない現象は世界の各地で少なからず確認されているようですが、実際にそういう事例に遭遇したことはないのであり得るのかあり得ないのかコメントできないのですが、小説という形にした抵抗なく読むことができます。


時間や語り手が変わるので全体の構造が少しややこしいのですが、なお希少に相応しいかなという印象です。