千葉そごうの三省堂書店に立ち寄りましたらこんな本がありました。

一般向けの本ではないので珍しいですね。

山野楽器にあってもおかしくないですね。





著者は慶應義塾大学の名誉教授でいらして現役の脳神経内科のお医者さんです。





季刊MURAMATSU に連載したコラムをまとめたもののようです。





お医者さんで楽器を演奏される方は珍しくありませんし、プロ並の方もいらっしゃいます。

フルートは趣味でいらっしゃるようですが植村泰一さんや峯岸壮一さんをはじめとする演奏家の方々にも師事されているとのことですので素人のレヴェルではないでしょう。





パラパラと見ただけですが、フルート演奏に影響のある疾患などが説明されていて非常に興味深いです。

脳卒中、パーキンソン病、ジストニア、片頭痛などですが、腱鞘炎の他「ドケルバン病」「ガングリオン」「手根管症候群」「母指CM関節症」「ヘバーデン結節」「上腕骨外側上顆炎」(これは私も症状が出た「テニス肘」)「デュピュイトラン拘縮」が挙げられています。

このほか耳と目のトラブルについても説明されています。

近視や遠視や老眼、白内障、緑内障ですね。このうち二つは該当します。

花粉症。これも少しあります。

そして金属アレルギー。

これについては金属についても細かく説明されています。

さすがと思うのは Louis Lot にとその素材についても触れられていることで、これらはお医者さんならではの内容と言えるでしょう。


また P160 のコラムで左利き用フルートに言及されています。

ここで左利き用というのは普通とは逆に左に構えるフルートのことです。

佐野悦郎さんのドップラー兄弟に関する著作から引用されているほか YouTube で公開されているヤン・グリムとセバスチャン・ジャコーの演奏にも触れられています。



とても良い内容の本で、ただの「こうすれば」良いとかよくなるといった内容の本とは違います。

おすすめです。