成田市にあるオカリナ工房に行ってみました。


前日新しく手にした Thousand Leaves のオカリナです。


製作者は 千葉 稔 さんとおっしゃいます。


ブランド名はそこからだと思います。


 







blog 掲載の許可はいただいています。


 




ちょうど焼き上がって出荷できる状態のものが並べられていました。


今回は納品先がいくつかあるのでこれだけ並んでいるそうでまだ製作中のものもありましたが、常時これだけ揃っているわけではないとのことでした。


 


ソプラノの F が多いようでした。








 


ソプラノの C、アルトの C などもいくつかありました。










許可をいただいたので一通り試奏させていただきましたが、音色や吹奏感、音のつながり、ホールド感など同じものは一つとしてありません。


 


土は古万古とのことで、赤みを帯びています。


万古焼は急須などでおなじみですね。


 


萬古焼(ばんこやき、万古焼)は、陶磁器・焼き物の一つで、葉長石(ペタライト)を使用して耐熱性に優れた特徴を持つ。陶器と磁器の間の性質を持つ半磁器(炻器)に分類される。


(Wikipedia)


 







制作の工程を少し見せていただきました。








こういう型で、半分づつ作られるのですね。








音孔は基本的な位置に印が付けられているそうですが、穴あけは全部手作業です。


なので特注にも応じられるというわけです。


以前も書いたような気がしますが、オカリナは音孔の位置はかなり自由に決めることができます。


つぼ状楽器と分類されていて、全部音孔を塞ぐと空気の出口は歌口しかありません。


音程は音孔が開いている面積で決まるので基本的にはどの位置であっても良いことになります。








以前は隣接する自宅のご自分の部屋で作業なさっていたとのことです。


 







こちらが焼き上げる電気炉。


二段に並べられて最大20本焼くことができるそうです。


この規模ですと大きな登り窯のように置く位置によって大きく違うということはないそうです。


焼き上がりまではおよそ8時間とのことでした。










さてこちらは自分の楽器です。








細部を観察すると音孔のエッジが削られていることに気がつきます。


 


 



 


アケタなどはエッジが鋭いままですが、このように仕上げられていると確実に塞がり演奏性も良いと思います。


また音響特性上も無視できない影響があるのではないかと思います。




 




歌口はまん丸ですね。


他では見ない形です。














黒いのは小川オカリーナです。


音孔の配置が異なるので運指も異なります。








アケタには標準でつけられている「ヒモ通し」ですが、つけていないメーカーが大部分です。


お訊きしますとアケタは塗装をするので塗装の時に吊るすためにつけられているとのことでした。


 


それ以外のメーカーで塗装しているものはどうやら音孔を針金などに引っ掛けて吊るしてやっているようです。


 


それからプラスチックや木製のオカリナ について訊いてみますと、悪いわけではないけれど吸水性がないので演奏しているうちに内部(歌口)に水滴が溜まって音が出にくくなってしまうことがあるそうです。


 


プラスチックや木製であれば焼成による収縮の問題はないので安定した楽器は作れるだろうと思います。


将来は 3D プリンタで作ることも可能でしょう。


 


 


興味深い体験でした。


ご興味がおありの方は足を運んでみてください。


 


伺う場合は事前にお電話で都合を確認してください。