発表会に向けて練習をしながら問題の H のレバーを何度か調整してもらったのですが、C# から H に滑らかに横にずらせるようにするのはなかなか難しいようです。


武満の曲に出てくる逆の動きならどんなに難しくないのですが、相原さんをしてもなかなか難しいようです。



 

 



 


先日の日曜、水曜そして今日もお邪魔してお手を煩わせたのですが、この部分をいじるのはひとまずやめました。


せっかくトーンホールを閉じたままにすることができるネジをつけてもらったので今回はこれを活用することにします。


当初相原さんはなぜ両方?と不思議がったのですが、こういうことを見越していたのです。


 


 




 



 


さて H のトーンホールの仕掛けはひとまず置いておいて、トーンホールを全て前に向けた足部管ができたということが高野先生や某協会の耳にも入ったようで、すでに相原さんの元に何組か訪れて注文があったというのです。



 

 



 


吹いてみて、確かに違うというのが感想だったとのことで、実際普通の足部管と取り替えてみると予想外の違いが感じられます。


それは何と言いましょうが音の深みの違いとして感じられます。


 


足部管を取り替えて吹くのは C 足部管を使っている人が H 足部感に交換することがあるくらいなので、こうした比較をしてみた人は今までには皆無で、違いを実感したことがある人もないはずです。


 


音の品位というのはなかなか表現することも実現することも難しいのですが、普通はそれは楽器のグレードの違いとして認識しています。



 

 



 


極端に言うなら異なるメーカーの音に思えるほどの違いが生じます。


当初は安藤良典さんの本で詳しく述べられているようにトーンホールの開く方向に違いがあれば音の放射する方向が違い、後ろを向いていたのが前を向けば見かけ上の音量も増加するだろうと予想していました。


しかし(音響を研究する施設で実測もしたそうですが)音量は確かに上がりましたが、演奏者が感じるのは響きの質の違いです。


 


 


 



 


H足部管を使っている人は実感していますが、最高音の C は一番下(H)のトーンホールを閉じら方が鳴らしやすく、そのためにギズモキーというものがあります。


一番端にある穴がなぜ響きに影響するかは不思議ではありますが、一つには全て閉じて C の音が出る長さの管の方が共鳴しやすいのだろうとはありそうなことです。


すると例えば右手の指を殆ど全て離して歌口から遠い方のトーンホールが半分以上開いている状態でもそれらは音に影響していると考えるのもおかしなことではないのかもしれません。


 


そのトーンホールの開いている方向が違えばそれも影響すると考えても良いのではないでしょうか。


 



 


 




 




今回は演奏の途中でネジを締めたり緩めたりをすることになります。


 


楽譜にはその指示をもう書き込んであります。


閉じたままでも良いのですが、開いた方が響きは良いのです。


 


ちなみにこの相原さん独自の足部管を注文した人もこのネジは注文していません。



 


タイトルの FTH は Front Tone Holes の意味です。


 


 


 


明日の朝はお墓に行かなければならないので更新はお休みします。