リッププレートや頭部管にいろいろな素材が使われているわけですが、昔から使われる素材である象牙がやはり優秀であると言わなければなりません。


 


 


リッププレートにだけ象牙を使うの一般的ですが、1枚目の写真のように全体を象牙で作ればこれ以上ないものになりますが、お値段もこれ以上ないものに近くなります。


 







素材により特色がありますし、楽器との相性、そして使う人との相性もあるのでこれが絶対ということはできないのですが、最近とみに評価が高いのが黒珊瑚(深海松)です。


 







先週 FMC フルートマスターズに行った時に何本か頭部管を持参しました。








こちらのスタッフのお一人が私と同じ楽器をお使いで、夏の山野楽器でも相原さんの頭部管を随分試奏されていたと聞いていたからです。










だいたい自分の音というものは自分では客観的に聴くことができません。


録音したとしても生で聴くのとは違います。


今回吹き比べてもらいましたが、ご本人もこの黒珊瑚が一番お気に入りになったようで、私が聴いた印象もそうでした。








一言で言えば熟練度が上がったような音です。








この個体は反射板に夜光貝を使っているので他の個体とは一味違う響きを持っています。


 


 


以前も触れましたが、海外でもこれを欲しがる声がかなり増えているそうです。


 


通称の「黒珊瑚」が引っかかるらしいので本名の「深海松(ふかみる)」を前面に出せば良いと思うのですが、通関の手続きなどクリアしなければならない問題がいくつかありそうです。








あまり接近して撮ったことがない象牙ですが、こんな風なのですね。










クラウンまで象牙です。












相原さんでは定価70万円、別の工房では100万円です。


全部を象牙で作ったらどんなに素晴らしいかと思うのですが、どんな値段になるのかを考えると恐ろしいです。