出来上がった足部管を引き取ってきました。


 


 


先日一度ご紹介しました通り、トーンホールが全部前を向いています。


 


 








トーンホールの開閉はこのシーソーのようなメカで行います。










そしてこちらが特注のトーンホール固定用の仕掛けです。


 


 












開閉メカニズムは同じですが、ネジを締めるとトーンホールが閉じた状態で固定することができます。








芯金を締め付ける仕組みになっています。


 


 








何のためにこんなメカを作ってもらったかと言いますと、一つには発表会で取り上げようとしている曲に低音の C# → H という部分があるためで、普通のレバーの配置ではどうしても途中の C に触れなければならず、スムーズに C# → H と移ることがなかなか難しいのです。


 


これは先日取り上げました運指の本でも 武満 徹 の「エアー」(Air for Flute 1995)ではこの逆の運指があってやりにくいので H のレバーを独自に考案したとして写真が載っているのですが、それが相原さんの元々の足部管を少し変形したようなデザインなのです。


 


 






そこでこれらの対策のため一つには上の写真のように元々の相原システムをさらに発展させて C# から横に(相原システムでは C から横に)小指をずらすだけで H に移れるようにしてもらったのです。


少し慣れが必要ですが、今までより格段にやりやすくなりました。


 


もう一つが最初にご紹介しました固定メカニズムで、これは C足部管にフットフォン H を取り付けたのと同様な効果を得るためのもので、H のトーンホールを閉じて固定してしまうので C のレバーを押すと C が出ずに H が出るというわけです。


これはちょっと変則的なやり方ですが、副産物としては最高音の C を出すときにもギズモキーを押さえる必要がありません。


 


トーンホールを全部前に向けた効果は次の練習で確認して次のレッスンで先生にも聴いてもらわなければなりませんが、誰も聴いたことがない響きであるはずです。


 


 





ホールではどう響くのか、練習場所の小ホールで確認してみようと思います。