先日取り上げました難しい箇所の件ですが、フットフォンH を使えば良いかもと書きました。


しかし改めて相原さんの楽器(中嶋さんの作ったものも)を見ますと、足部管が独自のシステムになっています。








上がメインで使っている FMCフルートマスターズの楽器で、下が中嶋さんが作った楽器です。


わかりやすいようにその部分を強調しています。


アイハラシステムの足部管では Hのレバーが横についています。










異なるのは見た目だけではなく、動作も異なります。


 


通常のシステムでは先日触れましたように Hのレバーを押すと Hのトーンホールだけが塞がります。


 


アイハラシステムでは C#, C, H の三つ全部が塞がります。








これはどのメーカーでも注文すればそのような仕掛けにしてもらえるはずですが、通常の配置では小指の先で押さなければならないので力が必要です。


相原さんのシステムでは C# を押さえた指を横に倒して関節のあたりで押すことになるので力を入れやすいのです。












先日触れました通り H だけを押さえるのはギズモキーを使うのですが、それは最高音の C を出しやすくするためです。


最高音の C を出すときは右手で押さえるキーは殆ど開いているので一番端の H のトーンホールが閉じていても問題はなく、発音はしやすくなるのです。


 


では下の三つを閉じてしまったら影響はないのでしょうか?


やってみますと発音のしやすさは同じで、音程はほんのわずか(半音の何分の1か)低くなります。


これは幸いです。


なぜかと言いますとフルートの高音域は構造上うわずるのです。


なのでこの方が響きの面でも好ましいです。








中嶋さんの楽器は左手小指で操作する G# レバーが普通より下に曲げられています。


そのため通常は横に置いたとき手前の一点で接地するところ二点で接地することになり、シーソーのような動きをすることなく安定します。










スケール(音程の設計)は基本のクーパースケールですが、他の楽器とは微妙に異なります。


フルートに馴染みのない方にはわからないと思いますが、上の楽器とトーンホールの間隔が異なります。








モデルはカオリモ4


引き上げトーンホール、カバードキーです。


カバードもあっても良いのです。








ジュエリークラウンに使用しているのは夜光貝です。








管体銀、メカ洋銀なので FMUフルートマウターズの楽器より軽いですが、それだけでなく管厚もやや薄いようです。


(FMC は0 .4mm)


 


 


そういうわけで今度取り上げようと思っている曲はこの楽器でやってみようと思います。