左手だけでピアニストとして活躍されている方がいらっしゃいます。


一番有名なのは 舘野 泉 さんですが、検索してみると


 智内 威雄 さん、有馬 圭亮 さんのお名前も見つかります。


作品ではラヴェルに『左手のためのピアノ協奏曲』がありますが、館野さん監修による編曲集も出版されているようです。


ラヴェルの作品は第一次大戦で右手を失った パウル・ウィトゲンシュタイン の依頼で作曲された(Wikipedia)そうです。








相原さんが演奏家の依頼を受けて左手だけで演奏できるフルートを製作しました。


まだメッキ処理前の仕上げをしている段階です。








左手小指で操作するためのキーたちです。








足部管は一体型で、連結のためのメカニズムが取り付けられています。


右手は支えにも使えないそうで、この後バスフルート用のスタンドのようなものを用意するとのことです。


 


 


トーンホールはインラインで、通常後ろ向いている足部管のトーンホールも前を向いているので響きの面でメリットがありそうです。










C# キーのある位置にはトリルキーが配置されています。








C# は親指で操作します。








頭部管は一応 U字管がつけられていますが、もちろんストレート管でも良いわけです。


 


 


U字管は響きの面ではストレート管には劣りますが、右手で支えることができない演奏者の場合は左手を顔の前に持って来ることができて楽器が安定するという大きなメリットがあります。


 









デザインの細部を磨いていけば美しい楽器に仕上がりそうです。








素材は洋銀に銀メッキ、トーンホールは引き上げです。


 


今年のコンヴェンションでお披露目される予定です。


この楽器はさすがに試奏は技術的に難しいでしょうね。


音を確認するのみになりそうですが、注文された方はプロの演奏家とのことですので、納められた暁には演奏会でその姿を目にする機会もあるかもしれません。


 


ピアノや打楽器はともかく、管楽器は片手で演奏するようにはできていません。


トロンボーンなら大丈夫かもしれませんし、トランペットは左手用というものも出現していますし、そのほかの金管楽器もヴァルヴやピストンは基本的には右手だけで操作します。


6ロータリーのテューバは両手を使いますし、ユーフォニウムの第4ピストンは左手で操作する構造のものもあります。


 


木管楽器は両手が使えないと無理です。


 


 


相原さんのこの楽器は多分世界初でしょうね。