現在はいくつかの版が並存しているこの教則本ですが、私が使っているのは植村さんの訳になるものです。


 







オリジナルの姿がどうであったかを伝えたいという思いからの仕事のようです。


 







ところで教則本には運指表がつきものですが、この本の運指表はあまり分かりやすいものとは思えません。


 


運指表はネットでもいくらでも探すことができますが運指表には二つの考え方があって、一つは押さえるキー(指)を示したもの(この教則本の基本的にはそうです)で、もう一つは開いているキーと閉じているキーを示したものです。


 


後者はどの音孔が開いているかを示しているので、音程との関連が理解しやすいという考え方に基づいているようです。


 


それは一理あるのですが、初心者が指づかいを知ろうとするときはどの指を押さえるのかを知りたいわけで、押さえるキー(指)を示してあった方が理解しやすいのは当然だろうと思います。


 







ただ、押さえるキーを示すのは良いのですが、この本では音孔を直接押さえるものと、音孔でなくキー(レバー)を押さえることによって離れた位置にある音孔を開閉するものを区別していますが、これはそれほど良い工夫とは思えません。


 


初心者用と中級者用では異なっても良いと思いますが、二つの種類を併記するということもあっても良いのではないかと思います。