久しぶりの芸術劇場、久しぶりの TKWO です。




プログラムは


 コリリアーノ:交響曲第3番「キルクス・マクシムス」


 レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲


       伊藤 康英 編


 レスピーギ:交響詩「ローマの松」


       鈴木 英史 編


指揮:シズオ・Z・クワハラ


共演:航空自衛隊航空中央音楽隊


   (フルート2、Es クラリネット1、トランペット7


   テナートロンボーン2、パーカッション2)


 

 


コリリアーノはヨーヨー・マが参加した「ファンタジー」という CD がありますが、聴いていません。


映画「レッド・バイオリン」の音楽もコリリアーノだそうですが、本格的な作品を聴くのは今回が初めてです。



今回の交響曲は吹奏楽のためのオリジナルです。


二階席に11名のトランペットやサックスの四重奏などが配置され、何度か訪れるクライマックスでは全周から音が押し寄せます。

フルートが向かって左の最前列に並んでいますし、舞台上の席が少なく思えましたが、そういうわけだったのですね。


この録音を再現しようとするならサラウンドが必要です。

 

指揮者が指を一本立てて客席上方の演奏者たちに向かって指示すると左右前方のトランペットがファンファーレを吹き交わし始めます。

指が二本になり三本になりと変化しますが、どういう指示なのかはわかりません。

 

その指示はオーケストラ全体に向かっている時も右手で示されていました。

 

古代ローマの円形スタジアムが舞台で、狂乱と熱狂、狂気と興奮が渦巻きます。

コンサートホールは音で埋め尽くされ、全楽器が咆哮する中ではピッコロ二本の強奏さえ埋もれてしまいそうなほどです。

 


途中で小さなマーチングバンドが横切るなど、異色の作品です。


最後に一つ仕掛けが隠れています。


 


 

レスピーギの一曲目は自分でも最近編曲を手がけてスコアを読み込んだためかちょっと違和感を感じないでもありませんでした。

編曲者はオリジナルの弦楽オーケーストラから編曲するにあたって「管楽オーケストラ」作品として再創造したとのことですが、木管だけでも十分多彩な響きが得られるのではないかと思えました。


 


TKWO もメンバーの入れ替えがあるためか、前回の定期より随分響きが充実したという印象を持ちました。


クラリネット群の音色が印象的でした。

 

 

「ローマの松」では「アッピア街道の松」に登場する金管楽器は正面のオルガンのパイプの間に立ち、トランペット4、トロンボーン2本が客席に向かって音を放ちます。

テナーホルンなどの楽器は使用されず、普通のトランペットとトロンボーンで演奏されましたが、あの五連符も正しく演奏され、音色も多彩で見事な演奏でした。

終曲の、クライマックス直前の一旦音量が落ちる箇所の直後、どうかと思いましたがやっぱり音型は明瞭には聞こえてきませんでした。

何か工夫する余地があるかもしれません。

 

今回オルガンの上に配置された金管楽器群は原曲では最初は舞台裏で吹き、次第に近づいて来るようになっています。

今回はずっと正面に姿が見えていましたが、パイプの裏で吹き始めるなど工夫があっても良かったかなと思います。

 

チェレスタ、ピアノ、ハープももちろんあります。

 

フルート吹きなので前田さんを注視していましたが、好調に思えました。

クラリネットのソロは格別素晴らしかったですね。

コーラングレとクラリネットは終わったあと指揮者が立たせていましたが、クラリネットは格別でした。

 

前田さんもソロがあったのに、とちょっと残念でした。

 

ホルンも良い音でした。特に低音部の2番4番が良かったです。

テューバの響きも以前より磨きがかかったように思えました。

 

格別印象に残ったのはティンパニとシンバルでした。

 

素晴らしい音でした。

 

 


アンコールはなく、16時終演で遅くならずに帰宅することができました。





午前中、駐車場で撮った水仙です。






河津桜はまだ少しでしたが、蕾はずいぶん膨らんでいました。





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