以前全種類を撮る事ができたロイヤルコペンハーゲンのフローラヤポニカのうち一つを撮り直す機会を得る事ができました。
前回も触れましたが、フローラダニカの美しさをそのまま引き継いだ、言われなければ気づかないほどの仕上がりを見せている作品ですが、唯一はっきりと違いを見せているのが周囲に配置された水色です。本家のシリーズではこの部分はピンクです。
絵付師のフルネームは Johann Christoph Bayer(ヨハン・ クリストフ・バイエル)です。
かなり昔の事(1960年頃らしい)になりますが、KIRIN が同じような企画で10種類を作らせた事があるようです。
多分会員向けの頒布会のようなものであったと思うのですが、選ばれたアイテムはこちらとはかなり異なるシェイプのもので、ハンドルの部分もフローラダニカシリーズとは異なるものに仕上げられています。
マイセンやヘレンドといった名だたる名窯ももちろん植物を描いた製品を送り出していますが、いわばイラストであって、このような細密な植物画(ボタニカルアート)ではありません。
食器の曲面に細密画を再現しようという試みがまず尋常ではありません。
最高級の作品群でありながら近寄りがたいイメージはなくとても優しいイメージを備えているところが他にはない強い魅力だと思います。
お値段は近寄りがたいですが、できる事ならひとつは手元に置いて愛でたいと思う魅力に溢れています。