上二本が Brannen = Cooper のシルバー(H足部管付)、その下が同じく 14k、一番下が Nagahra のフルコンサートの 14k です。



BOSTON と LONDON の刻印があります。

Brannen Bros. が BOSTON、Cooper さんが LONDON ですね。




歌口の比較です。

一番左が Nagahara です。




Brannen 三本です。

左の二本は似ていますが、右の一本がやや異なっています。




似ている二本です。




左が先週試奏したもの、右が最近入荷したものです。


向かって右上が余計にカットされているように見えるのが特徴的です。




横から撮ってみました。




シルバーの二本は足部管には刻印はありませんね。
しなくなったのでしょうか。


さて試奏した印象ですが、先週試奏した方は Brannen らしい響きで、隣の 14k と共通する響きを持っています。
音の厚みなどはもちろん異なるのですが、低音域の太さが印象的です。
倍音は複雑で、豊かな音色を持っています。

新しい方は現代的な響きで、明るさが加わり、比較するならこちらの方が遠鳴りするという印象です。

音量も大きめです。

少し Powell に近いという印象があります。

反応は良く、オクターブの跳躍も外す事は少ないでしょう。

 

音程はどちらも良くて第三オクターブでもひどく外れる事はなく、吹いていて楽です。これは Brannen 共通の特長です。

 

新しい方はどんな曲でも対応できる柔軟性を備えていると言っても良いと思いますが、先に試奏した方は音色のコントロールも含めてやや難しさがあります。

 

もしどちらかを購入するとしたら新しい方を選びます。

古い方の特徴は響きの太さなどを別にすれば 14k の方にもあります。

 

 

試奏後に伺ったお話では頭部管を削った人が異なり、新しい方が元々の Brannen  の血を受け継ぐ方が削ったもので、もう一方は現在その他に二人いる技術者が削ったものだそうです。

タイプとしてはどちらもモダンクーパーと呼ばれるタイプのようで、息の圧力が保てる奏者でないと p で鳴らなくなってしまうそうです。

 

 

 

美しく並んだキーです。

 

 

 




Nagahara のフルコンサートは以前記事にしましたが、胴部管が短くその分頭部管が長く、テーパーが長くなっています。



キーのデザインはよく似ていますが、パイプの構成など細かい点は違います。



ハンドメイドの楽器は個体差が大きいですね。
特に頭部管においてそれが顕著です。

これから新しく良い楽器を買おうとする人はある程度以上の楽器は必ず自分で吹いて他の人にも聴いてもらった方が良いです。

その楽器店で納得できなかったら他のお店に行ってみましょう。
その時は必ず今使っている楽器を持って行きましょう。
場所やその日のコンディションによって響きが異なります。


それにしても Nagahara はやはり際立った個性を持った楽器です。
いくつもの豊かな音色がありますし、反応がよくダイナミクスの表現が思いのままで、まさに表現者の楽器です。




 


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