H足部管付きのフルートに限った話ですが、ギズモキィと呼ばれるキイが付いている場合があります。
多分付いている方が多いでしょう。
上の写真の中央よりやや右側、三つのキィの上に被さるように奥から手前に伸びているキィです。

最高音の C を出し易くするのが主な目的で、確かにこれを使うと無理なく発音できます。

D → C# → C → H
と下がっていく時、音孔はだんだん閉じていきます。
この時普段同じキィを押さえ続けている右手の小指はだんだん隣のキィへ移動していきます。
この時はギズモキィは使いません。






ギズモキィを押さえるとこの写真のように一番下のトーンホールだけが塞がります。

今これを取り上げるのは、以前 IWARIN さんから問い合わせをいただいた Parmenon というメーカーの HP を訪れてその中の「伝統と革新」というページの内容を読んだ事を思い出したからです。
http://www.parmenon-flute.com/jp/index.html

IWARIN さんはこの中の G# のメカニズムに注目されたのですが、私は「反響用B足部管」に興味を引かれました。
ちょうど金管楽器の朝顔について考えていたときでした。
HP によれば「低いBの自動開閉メカニズムにより小さい朝顔同様に空気の塊を作り、先に述べた朝顔効果を実現しています。」とのことです。
本当にその狙い通りの効果が得られるのかは実物を触ってみなければ何とも言えませんが、今日練習中にギズモキィを使った時にこれを思い出したというわけです。

最低音近くを除いてこれを塞いでおく機構を作る事はそれほど難しくないのではないかと思います。
明日は山野楽器へ Merveille の試奏に行く予定ですが、その折にでもちょっと試してみましょう。

通常右手は Es キィを押さえっぱなしです。
その代わりに無理のない範囲でギズモキィを押さえるようにしてみたらどうなるでしょう?
もしこれが有効ならギズモキィを改造すれば無理のない運指が可能になるのではないでしょうか?

どなたかお試しになってみた事がおありでしたら教えていただけると幸いです。
あるいは Parmenon をお使いになっていらっしゃる方、どうでしょうか?
山野楽器には中古があるようですが、新品はないようです。
Flute World のときに訊いてみたらそんな特殊なメカニズムは搭載していないようだとのお答えでした。




写真は相原さんの楽器の足部管です。
Hキィは通常の位置になく、ギズモキィの位置にあります。
H を出すときは小指をずらすように右に動かします。
慣れるとそれほどやりにくくはありません。