「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」と読んで来た万城目学さんの作品ですが、最新作がいつの間にか出ていたようなので読んでみました。
作風がどうなってしまうのかと気になっていたのですが、良い方向に予想を裏切られました。

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/01/27
  • メディア: 新書


主人公のかのこちゃんは小学生の女の子で、雷の日にやって来た飼い猫の「マドレーヌ夫人」飼い犬の老犬「玄三郎」と「フンケーの友」のすずちゃんが主要な登場人物です。

かのこちゃんのお父さんは鹿と話ができる、なんて部分を読むとにやっとしてしまいます。
マドレーヌといえば文学好きならすぐさまプルーストを連想しますが、全然関係なかったりします。

面白いのは「猫又」が出現する事です。
こんな解釈もありかな、と思わせられます。


本筋とは関係ないのですが、反応してしまったのは「香箱」という言葉です。
久しぶりに目にしました。猫の姿勢をさす言葉だとは覚えていましたが、どういう姿勢だったか忘れていたので調べてみました。
すると以前スフィンクスのポーズとして紹介したあの姿勢でした。
http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2009-11-07-1
http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2009-11-07
スフィンクスは足を伸ばしていますからこの例えは適当ではなかったですね。

画像を検索してみると結構ありました。
http://hiki.cat-picture.org/CatJa/?KouBako
これは珍しい下からの写真です。
http://blog.livedoor.jp/dance4126/archives/50877741.html
トラだって猫です。
http://fuchaka.exblog.jp/10167810/

「プリンセス・トヨトミ」ではちょっとやり過ぎかなという印象を持っていましたが、今回はちょっと安心しました。
子供の世界が良く描かれていると思います。
好きな本の一冊に仲間入りしました。