現物を確認する事はできませんでしたが、思い切って買ってみました。
 SEIKO の振子式メトロノーム、WPM1000-B です。
 色は木の肌の色のナチュラルと濃い茶色のクラシックブラウンで、定価 15,750円、実売 13,500円ほど、ピアノ仕上げの方は黒で WPM2000BK という型番で定価 25,200円、実売 19,800円程度です。
 どちらも「森の響き」と名付けられています。



 光沢があるのでレフ代わりにしたものの色が写ってしまっています。Wittner の仕上げより光沢があります。
 色は1枚目の方が見た目に近いのですが、木目をご覧いただくために明るく補正して撮っています。
 木製のメトロノームは一般に表面に木目が見えますが、大抵は合板なのでプリントした木目です。
 こちらは建材や楽器にも使われるスプルース(米唐檜:ベイトウヒ)という松科の木材の一枚板が使われています。楽器に使われるのは良質のもので、ピアノの響板やバイオリンやギターの表などがそうです。
 余談ですがツーバーフォー住宅に使われる構造材にもスプルースを含む SPF材というものが使われます。

 仕様は
  サイズ:134(W)×238(H)×123(D)mm
  重 量:585g
  テンポ範囲:40 〜 208回/分 (39ステップ固定)
  ビート(拍子): 0、2、3、4、6
 です。




 1枚の板を削った様子が分かるように撮ってみました。

 1枚目の写真でご覧いただけますようにテンポを示す目盛りが左右にあり、内側にテンポ記号があります。これはとても良いです。真ん中に目盛りのある大部分の製品は合わせにくいんです。
 ゼンマイを巻くつまみは他の製品と同じように向かって右側ですが、ビートをセットするつまみは反対側にあります。これも良いですね。

 さて気にしていた音ですが、先日の製品の中でどれに近いかと言うと YAMAHA です。Wittner ほどおとなしくなく、NIKKO ほど甲高くありません。厳密に比較するには同じ場所に置いて比べてみなければなりません。オーディオをかじった事がある方ならご存知でしょうが、置かれたものの構造や素材によって音は違ってしまいます。
 しかし家庭で使うこうした製品にそれほど厳密な比較をしても仕方がないので、実際に使う場所に置いてみて良ければそれでいいでしょう。

 更に入念に塗装を施したという WPM2000BK の音はどうなのか気になるところですが、一般に塗料が厚くなれば音は鈍くなります。どの程度の違いなのかはやはり聴いてみなければ分かりません。

 しかし一般的な NIKKO のプラスチック製より 1万円弱高く、Wittner より少し高いか同じくらい(定価17,850円、ネットでの販売価格13千円程度)の価格のこのメトロノーム、どう評価するかは使用目的や価値観の違いによるでしょう。
 私は買って良かったと思っています。早速今夜からこれで練習する事にしましょう。