いつもはマタタビの記事からアップするのですが、今日は都合により後回しにします。


予定していた撮影は思ったより手間取り、結局一日かかってしまいました。
20mm をリバースで取り付けた状態では被写界深度も浅く、解放F値も 2.8 というのは想像以上に厳しいのでした。
自然光で昼前から撮影を始めたのですが、昼を過ぎても満足なものが撮れません。
ブレブレです。2.8という明るさは一般撮影では十分な明るさなのですが、ベローズを目一杯使う撮影では暗いのです。

おまけに装置をセットした廊下が古くてちょっとしたことで振動することと、安直に組み立てた撮影台がやはり安定しないことも大きな原因でした。
拡大率が大きくなると、通常は問題にならないようなことが障害となります。
感度を 3200 にセットしてもこんな状態です。
おまけに太陽が動くので、もたもたしていると被写体がすぐ影に入ってしまうのです。
更に困ることには、被写体との距離が非常に近いのでレンズ自身が被写体に影を落としてしまうのです。

最も困ったのは、あまりにもピントの合う範囲が浅いので、レンズ繰出用のネジをゆっくり回しても、ピントが合った状態は一瞬で通り過ぎてしまうのです。これでは手持ちで当たりをつけようとしても無理です。


結局以前ご紹介しました小物撮影用のライトを取り出し、50mm 主体で撮影しました。
F1.8 は明るくてシャッタスピードも早いのが使えますが、今度は深度の浅さがネックとなります。
何しろ立体物です。ライン状にしかピントが合いません。
ある程度絞れば良いのですが、開放でもブレが出そうな案配なので腹を括って全て解放で撮ることにしました。
もし本格的に構造を撮影しようとするなら撮影用に薄くて平らなプレート状に加工しなければならないでしょう。




たくさん撮ったのでまだ整理しきれませんが、何枚か掲載しておきます。
ルーベで覗いたイメージそのものは撮れませんでしたが、新しい発見もありました。

詳しいことは改めて記事にしますが、鹿の角は象牙やクジラの歯や牛の角とは決定的に違うのだということがわかりました。リッププレートはこれらの材料でも作ることはできますが、鹿の角のような音にはならないと思います。

磨いてもきれいな光沢は出ないのですが、まさにそのことが鹿の角を使った頭部管の音を決定づけているのです。


写真はいずれも歌口のエッジ部分です。なんだか積もった雪のようにも見えます。
色の濃い部分は樹脂のような光沢があります。
特異な構造については詳しいことは明日以降の記事をお待ちになってください。