先日取り上げました品切れの『ここの傷を癒すということ』は月末ごろ入荷の予定ですが、関連本を見ていましたらドラマで描かれた 安 医師 その人を描いた本が出ていることがわかりましたので取り寄せて読み始めました。








主に肝細胞癌が発見されてからの日々を描いていますのでドラマの内容を辿るように読むことができますが、奥様との出会いや父親とのやりとり、恩師との交流、仲間とジャズ演奏を楽しんだことなどは描かれていません。


 


病態と闘病の様子は描かれていて、家族と共に過ごしたいと考えて入院治療を選択しなかったことがよくわかります。


 







もともと分裂病が専門であったところ PTSD により多重人格という症状が出現することを発見されたそうですが、当時まだその考えは受け入れられなかったそうです。


ドラマでも多重人格の患者さんが描かれていましたがこの辺のことは十分には伝わらなかったように思えました。








阪神淡路大震災で自らも被災して、被災した患者を避難所で目の当たりにして心のケアの重要性を痛感してやがて患者を待つのでなく積極的に出かけて行って看護にあたる人たちとボランティアでやってくる医師たちの引き継ぎやネットワークを作り上げます。


 


そうした中、産経新聞に連載したものが『心の傷を癒すということ』という一冊の本にまとめられてやがてそれがサントリー学芸賞を受賞して一躍注目されますが、それによって心のケアの専門家と見られるようになるわけですが、本来の専門はそちらの方面ではなかったわけです。他の医師がそこまではできなかったということでしょう。








増刷を待つ間まずこちらをお読みになってみることをお勧めします。